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2014年1月24日(金)

欧州委 温暖化ガス40%減提示

2030年に1990年比 再生エネ割合27%に

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 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は22日、EUの新たな気候変動・エネルギー政策の枠組みを発表し、温室効果ガスを2030年に1990年比で40%削減する目標を提示しました。20年の削減目標に比べ倍加する大胆な目標です。国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)で停滞している温室効果ガス削減の新たな枠組み合意を促す動きといえます。この枠組みは3月のEU首脳会議で話し合われます。

 これまでEUは地球温暖化防止のため、2020年までに20%の削減を中期目標にし、すでに11年には15・5%削減を達成。20年の20%削減は確実といわれます。一方、日本の安倍政権は、20年までに90年比で3・1%増の「増加目標」を掲げ、COP19でも批判を浴びました。

 今回、温室効果ガス削減の方策の一つ、排出量取引制度(ETS)に関し、暴落している排出量価格を安定させる需給調整を21年から開始するとしました。バローゾ欧州委員長は会見で「温室効果ガス削減とエネルギー制度の競争力・安全性を両立させるためには、30年で40%削減が適切」と述べました。

 温室効果ガス削減で役割が期待されている再生可能エネルギー(風力、太陽光などの自然エネルギー)の分野では、エネルギー全体の需要に占める再生可能エネルギー割合を30年までに「少なくとも27%」にします。以前の目標では20年までに20%にするとし、各国に個別の目標を割り振っていました。今回は各国別の目標はなく、EU全体の目標のみ。原発を推進する英仏が個別目標設定に反対したと伝えられています。

 エネルギー価格が米国よりもかなり高いEUでは、エネルギー効率の問題も重要で、今秋にも具体的な目標が掲げられる見込みです。

 欧州のインターネット・メディア、EUオブザーバーによると、環境団体や欧州議会の中の環境派は、今回の提案が「欧州の産業界の意向に沿うもので、温室効果ガス削減、再生可能エネルギーの割合目標とも低すぎる」と批判しています。(片岡正明)


 気候変動枠組み条約の締約国会議(COP) 地球温暖化問題に対する国際的な枠組みを設定した1994年発効の気候変動枠組み条約(UNFCC)に参加する国が温室効果ガス排出削減策等を協議する会議。97年のCOP3は、京都議定書を採択し、第1約束期間(2008〜12年)の目標を先進国全体が1990年比で5%削減すると決定。現在、2020年発効めざす新しい国際的枠組み合意が急がれています。


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