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2014年1月16日(木)

韓国 TPP参加に反対続出

全国農民団体 「被害知りながら推進、農業の放棄」

自動車・機械 「輸入の急増で国内業界が圧迫」

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 韓国政府が13日から、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加へ向けて米国などと2国間の事前協議に入りました。昨年11月に交渉参加の意向を表明して以来、国内では農水畜産業界に加え、自動車・機械などの工業界からも反対の声が相次いでいます。


 事前協議は米国に続き、メキシコ、チリ、ペルー、マレーシア、シンガポールと行います。朴槿恵(パク・クネ)大統領は10日、「各国との円満な協議を通じて、TPP交渉への正式参加を期待する」と述べました。

 韓国経済の貿易依存度(国内総生産〈GDP〉に占める輸出入合計額の割合)は90%超で、世界でも極めて高い国です。日本は30%に達しません。「わが国は自由貿易の必要性が強い」というのが韓国政府の立場です。

 貿易依存度をさらに高めるTPP参加について、全国農民会総連合は「コメ、牛肉をはじめ農畜産業が被害を受けることを知りながらTPPを進める政府の態度は、農業を放棄するということだ」と非難。韓国農業経営人中央連合会も「後から参加する韓国は、すでに決まった結果をのまされるだけだ」と反発しています。

 米通商代表部(USTR)のフロマン代表は昨年11月、「韓国のTPP参加は、現参加国の交渉が妥結した後になる」と言明。韓国がTPPの内容を決める交渉に参加できる余地がないとの見方を裏付けています。

 自動車・機械業界は、TPP参加で輸入関税が大幅に引き下がれば、日本からの輸入急増で国内業界が圧迫されると懸念しています。韓国各メディアによると、韓国自動車産業協会、韓国自動車産業協同組合、韓国機械産業振興会、韓国工作機械産業協会が、TPP反対の立場を表明しています。

 円光大学のパク・ジェヒョン教授は現地紙に対して、「貿易黒字は高いが、雇用が増えない経済成長が続き、貯蓄率は減少、消費・投資などの内需不振、家計債務の増加によって、多くの国民が『貧困の落とし穴』から抜け出せないでいる」と指摘。高すぎる貿易依存度のせいでTPPへ前のめりになり、それが経済の脆弱(ぜいじゃく)性をさらに強める悪循環を招くと警告しました。

 同教授は、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス6(日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)が「各国の特殊で多様な事情を考慮しながら進める」ことで合意している経済連携協定「域内包括的経済連携(RCEP)」が韓国に見合った経済統合だと強調しています。 (面川誠)


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