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2014年1月12日(日)

オスプレイ訓練移転

沖縄の負担減らず 全国に危険広げる

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 安倍晋三首相は昨年末、沖縄の「基地負担軽減」を求めた仲井真弘多(ひろかず)県知事に対し、米軍普天間基地(同県宜野湾市)配備のオスプレイの訓練を約半分にするとして、本土への訓練移転を進める考えを示しました。しかし、これは沖縄の「負担軽減」にならないどころか、日本全国に欠陥機オスプレイの危険な訓練を広げる最悪の負担増策です。

“本土誘致”狙う

写真

(写真)本土で初めてオスプレイが参加した日米共同訓練=2013年10月、雨中の滋賀県・饗庭野演習場

 首相の表明を受け、防衛省は6日、訓練移転の具体化を推進するため「特別作業チーム」を設置しました。

 首相は「自衛隊のオスプレイ導入とあわせ、(訓練移転の)具体化を進める」と表明。「作業チーム」が進めるのは、自前のオスプレイを配備することになる本土の陸上自衛隊基地に格納庫や給油施設を整備し、米軍オスプレイの訓練拠点としても共同運用する構想です。

 防衛省は2014年度予算案にこのための調査費1億円を計上。すでに長崎県の大村駐屯地(大村市)、大分県の日出生台演習場(由布市など)が候補地との報道もあります。本土の自衛隊基地への“共生”と、自衛隊演習場への訓練移転の枠組みができれば、オスプレイの訓練場所は文字通り全国規模で拡大します。

 一方、ヘーゲル米国防長官は「オスプレイの半分以上の飛行運用は今でも沖縄県外だ」との認識を示しています。この認識に従うなら、首相の言う「約半分の訓練移転」は、これまで海外を中心に実施してきた訓練の“本土誘致”にしかなりません。

減らない騒音

 訓練移転が沖縄の「負担軽減」にならないことはこれまでの例からも明らかです。

 米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)では、「騒音軽減」の名目で2006年度から本土6カ所の自衛隊基地に航空機訓練を移転。しかし、嘉手納町基地渉外課は「別の基地からの外来機が増え、残った機体が移転中も訓練を続ける。騒音は全体として改善されていない」と説明します。

 同基地の規制時間内(夜間22時〜翌朝7時)の騒音発生回数は移転後、2倍に増加している場所もあります(沖縄県集計、グラフ)。

 これまでも訓練移転で、日米地位協定上も根拠のない日本側の経費負担の枠組みがつくられてきました。岸田文雄外相はオスプレイの訓練移転でも「日本側の負担はあり得る」として、米軍経費を払う可能性を認めています(昨年11月6日の衆院外務委、日本共産党の笠井亮議員への答弁)。

 訓練移転は騒音軽減にならないだけでなく、訓練遠征費まで日本が負担して全国に危険を拡大するものです。

 仲井真知事は、安倍政権の偽りの「負担軽減」策とひきかえに、名護市辺野古埋め立てを承認してオスプレイ配備の最新鋭基地建設計画をすすめました。この歴史的裏切りに沖縄県民の怒りは沸騰しています。名護市長選(12日告示・19日投票)は、オスプレイ配備撤回こそ県民が求める本当の負担軽減の道であることを改めて証明するたたかいでもあります。(池田晋)

図:オスプレイ飛来の実績と訓練移転
グラフ:訓練移転予算額と嘉手納基地の騒音発生状況

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