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2013年12月25日(水)

米情報機関NSA

歯止めない傍受に非難

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(写真)7月4日、ワシントンで「法を守る米国人へのスパイ行為はやめよ」などと書かれたプラカードとともに、NSA糾弾集会で訴える人(山崎伸治撮影)

 「米国史上において最も大きい国家機密の漏えいは、政府による歯止めのきかない膨大な監視計画の存在を明らかにした」(米紙ニューヨーク・タイムズ19日付社説)

 米政府最大の情報機関、国家安全保障局(NSA)による米国民などへの大規模な通信傍受活動を、欧米メディアが報じ始めたのは6月のこと。元米中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン容疑者(現在ロシアに亡命中)の暴露によるものでした。

各国の指導者も

 NSAの通信傍受は、米国民の電話や電子メールの記録・情報だけにとどまりません。スノーデン容疑者が提供する機密文書を基にした相次ぐ報道により、ヨーロッパや中南米などの世界各国、主要国の政治指導者、国連本部、国際機関、大手通信会社なども対象にしていることが明らかになっています。

 国際社会の非難の声は高まりました。オランド仏大統領は「同盟国、友好国間のこのような行為は容認できない」とオバマ米大統領に電話で抗議。ドイツとブラジルも米政府を非難し、国連にプライバシー保護のための決議案を提出し、国連総会で18日に全会一致で採択されました。

 同決議では、通信傍受が人権に与える悪影響を懸念し、国家による監視の透明性を確保するために独立した監督機関の設置を加盟国に求めています。

各地で市民集会

 米国内では「イエス・ウィ・スキャン(私たちは探っています)」などオバマ政権を批判・やゆする横断幕が掲げられた市民集会などが各地で繰り返し実施されました。

 プライバシーの尊重を定める米国憲法修正第4条に違反するなどとして、連邦地裁への提訴も相次ぎました。ワシントンの連邦地裁は16日、「これ以上の『無差別』で『独断的』な権利侵害は想像できない」と指摘。NSAの活動は違憲性が高いとの判断を示しました。

 オバマ政権は、外部有識者グループの報告書を踏まえて、来年1月にNSAの改革案を発表する予定です。収集した記録の閲覧・抽出を制限することなどを検討していますが、収集自体は「テロ対策」だと正当化。スノーデン容疑者の告発も「米国の外交や情報活動に不必要な損害を与えた」(オバマ氏)と批判しています。(ワシントン=洞口昇幸)


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