2013年12月20日(金)
医療費削減
病床再編し抑制強化
患者締め出しの危険
社保審医療部会意見書まとめる
厚生労働省の社会保障審議会・医療部会は19日、医療費削減に向けて医療機関の病床再編を盛り込んだ意見書をとりまとめました。
医療・介護サービス需要が増大しているなかで、「医療を効果的かつ効率的に提供する体制を構築する」として、病床を「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」に4区分し、都道府県が策定する「地域医療ビジョン」にもとづいて再編。「自主的な取り組みや協議を前提とする」としながらも、都道府県が医療機関にベッドの削減などを要請・指示できるとし、従わない場合は、医療機関名の公表、補助金中止など強制措置をとるとしています。患者の締め出しや追い出しにつながりかねない内容です。
意見書では、「地域医療ビジョン」策定に先立って医療機関が病院の機能を選択し、報告する制度を導入。これを踏まえて都道府県が策定する地域医療ビジョンには2025年の医療需要や目指すべき医療提供体制を定めるとしています。
受け皿となる在宅医療については、医療計画の中に整備目標を定めるとしているだけで、具体策はほとんど示されていません。
医師・看護師の確保対策では、地域間・診療科間の「偏在の是正」を重要課題に挙げているだけで、抜本的増員のための労働条件の改善などにはふれていません。
医療関係者から「介護分野の看護師不足が強調されているが、すべての分野で看護師が足りない」と厳しい批判があがりました。