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2013年12月16日(月)

遺族年金適用縮小を計画

厚労省 社会保険労務士ら批判

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「慎重な検討」連合会が要求

 生計の担い手を失った配偶者や子どもなどに支給される遺族年金について、厚生労働省は来年4月から政令で支給対象を大幅に制限しようとしています。年金相談にあたる社会保険労務士らはこれを強く批判。全国社会保険労務士会連合会(大西健造会長)は「慎重な検討」を求める「会長見解」を発表(12日)しました。

 国民年金の遺族基礎年金はこれまで母子家庭にしか支給されていませんでしたが、法改定で来年4月以降は父子家庭にも支給されるようになります。ところが同改定にともなって厚労省が11月に示した政令案では、会社員(第2号被保険者)に扶養されている配偶者(第3号被保険者)が亡くなった場合、すべての遺族に年金を支給しないとしました。

 これまでは亡くなった人が第3号被保険者でも、遺族が亡くなった人と生計が同一で年収が原則として850万円未満であれば、遺族基礎年金が支給されていました。

 さらに政令案では、遺族厚生年金についても、第3号被保険者が死亡した場合は支給しないとの規定を盛り込みました。

 例えば会社員であった夫が病気で退職し、パートに出た妻(第2号保険者)の扶養を受け第3号被保険者となって死亡した場合、これまでは支給要件が満たされれば遺族基礎年金に加え遺族厚生年金が支給されていました。しかし政令案では遺族年金はまったく支給されなくなります。

 政令案に対し全国社会保険労務士連合会は、第3号被保険者も一定の収入(年130万円未満)を得て第2号被保険者(会社員)の収入と併せ生計が維持されている低所得世帯への配慮を欠く、など問題点を指摘しています。

 厚労省の意見公募で政令案に反対を表明した社会保険労務士・中浦正樹さんは「遺族年金の支給を制限するのであれば、政令ではなく法律で規定すべきです。法律では支給されるべき年金を政令で止めることは許されません。これまで支給されていた遺族年金の受給権を奪ってしまうのは権利の侵害です」と話しています。


 遺族年金 生計の担い手が亡くなった遺族に支給される年金。国民年金から支給される遺族基礎年金と、厚生年金(共済年金)から支給される遺族厚生(共済)年金があります。


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