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2013年11月27日(水)

主張

秘密保護法案強行

暴挙が危険性浮き彫りにした

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 審議が始まったばかりの秘密保護法案の危険性が次々と明らかになり、国民の反対の声が日に日に広がる中で、自民、公明の与党と「修正」に合意した野党のみんなの党だけが賛成して衆院特別委員会の質疑を打ち切り、委員会も衆院本会議も通過させる―。まさにこの暴挙こそ、国民の目、耳、口をふさいで「戦争する国」をめざす、秘密保護法の危険性を浮き彫りにしたというしかありません。政府の勝手な判断で、都合の悪い情報は隠す秘密保護法案は危険です。強行採決は撤回させ、徹底審議で廃案に追い込むべきです。

国民の声は聞かない

 とにかく暴挙としかいいようのない「採決」でした。秘密保護法案は国民のあいだでほとんど議論のないなか、突然国会に提出され、衆院特別委員会での質疑もまだ2週間しかおこなっていません。国民の圧倒的な世論は、今国会での成立は急ぐべきではないというものです。前日(25日)福島県で開かれた特別委員会の地方公聴会でも、与党の推薦を含め7人の公述人全員が法案に反対あるいは慎重審議を求めました。異例な事態です。その声さえ踏みにじって採決を強行したのは、まさに国民の目、口をふさぎ、国民の声は素通りさせる姿勢だからです。

 わずかな審議でも、秘密保護法案の危険性は明白です。法案は、政府が「安全保障」に妨げがあると判断すれば、軍事、外交、スパイ防止、テロ対策など広範な行政情報を「特定秘密」と指定できる仕組みです。「安全保障」とさえいえば「秘密」の範囲はどこまでも広がる仕掛けで、審議の中では原発事故の情報や環太平洋連携協定(TPP)などの外交交渉さえ、「特定秘密」に指定される危険が明らかになりました。いまでさえ秘密や「密約」が多い日本をさらに“秘密国家”にするものです。

 「特定秘密」を取り扱う公務員は家族まで調査され、故意ではなく過失でも秘密を漏らせば厳罰です。国民もなにが秘密かわからないまま「秘密を漏らせ」と働きかけたとか「知ろうとした」とか疑いをかけられ、共犯にされる恐れがあります。実行しなくても、未遂や共謀、教唆、扇動しただけでも逮捕される危険があります。まさに戦前の“暗黒社会”を復活させる現代版「治安維持法」です。

 しかも安倍晋三政権は、秘密保護法の成立を急ぐのはアメリカから軍事や外交の情報を受けやすくするためだと公言し、今国会に提出した「外交・軍事の司令塔」になる国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と一体で、成立をめざします。日本版NSC設置法はすでに参院の特別委で可決されました。日本をアメリカといっしょに外国で「戦争する国」に変える体制を許すわけにはいきません。

国民の反対のうねりで

 衆院特別委での強行採決が伝わると、国会には多くの国民が詰めかけました。秘密保護法反対の声は、労働者、市民、学者・研究者、弁護士、ジャーナリスト、演劇人など広範な国民に広がっています。文字通り怒濤(どとう)のように広がる国民の怒りと反対の声のうねりを、安倍政権と与党は聞くべきです。

 日本の民主主義と国民の「知る権利」、二度と戦争の道を許さない平和主義を守りぬくために、秘密保護法案は「修正」ではなく必ず廃案にしようではありませんか。


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