2013年11月26日(火)
「辺野古移設」を容認 自民の沖縄選出議員
有権者への重大な裏切り
厳しい審判は必至
「ぶれない信念」「普天間基地は県外」―。自民党の国場幸之助衆院議員の政策ビラには普天間基地「県外移設」の公約が踊りました。同党の沖縄選出5議員はすべて、「県外移設」を公約して当選しました。それにも関わらず、党執行部の圧力に屈して、「県内移設」容認に転じたことは、有権者に対する重大な裏切りです。
同時に、所属国会議員を屈服させてまで公約違反を強要した安倍政権と自民党執行部の罪は重大です。記者会見で、石破茂幹事長らは、「普天間基地の固定化を避けるため」であることをしきりに強調しましたが、「県内移設」反対の「オール沖縄」の体制にくさびを打ち込むのが狙いであることは疑いありません。
アメリカいいなりに米軍新基地建設を推進するために、公約をいとも簡単に投げ捨てさせ、議員もそれに屈する―政治の退廃でさえあります。
8割前後の県民が辺野古への新基地建設に反対しています。普天間基地の無条件撤去こそ、県民の声にこたえる道です。自民党の暴走は、国民・県民との矛盾をいっそう激化させるでしょう。
政府・自民党の思惑は(1)まず沖縄選出の国会議員に辺野古容認を表明させる(2)これにならって同党県議らを含む沖縄県連が方針転換する(3)辺野古沿岸部の埋め立て許認可権を持つ仲井真弘多知事が、年内の埋め立て申請承認をする「環境」を整える―というものです。
さらに知事の「県内移設」容認で、来年1月の名護市長選挙での候補一本化につなげる狙いです。立候補表明している島袋吉和前市長は、自民党県連が辺野古「移設」を容認すれば、同党県連が推す候補への一本化に応じる考えを示しています。
自民党県連は26日にも対応を協議します。
ただ、普天間基地の「県内移設」に反対する「オール沖縄」の流れは、もはや後戻りのできないものです。この流れに逆らうなら、2009年の総選挙で掲げた「県外移設」の公約を投げ捨てた民主党・鳩山政権が有権者の厳しい審判を受けたのと同様、自民党も厳しい審判を受けざるをえないでしょう。
(山田英明)