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日本共産党第9回中央委員会総会

志位委員長の結語

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 日本共産党が12、13の両日に開いた第9回中央委員会総会で、志位和夫委員長がおこなった結語は次のとおりです。


 みなさん、2日間の会議、おつかれさまでした。

 私は、幹部会を代表して討論の結語をおこないます。

 2日間で45人の同志が発言しました。その全体が、大会決議案、9中総決議案を積極的に受け止め、深める、充実した内容となったと思います。

 全国では、約1万2千人がインターネット中継で報告を視聴し、700通を超える感想文が寄せられました。

大会決議案についての発言と感想から

 まず、大会決議案について、発言と感想で寄せられた声として、重要だと感じた点について報告しておきたいと思います。

全党の4年間の不屈の奮闘がつくりだした成果

 一つは、多くの発言や感想で、「全党が実感をもって受け止められる決議案だ」、「わかりやすく身近に感じる」、「明るく楽しい気持ちになれる」という受け止めが語られていることであります。これは提案者の側からしますと、たいへんにうれしいことであり、また大切な受け止めだと思います。

 大会決議案は、第1章で、「日本の情勢は、『自共対決』時代の本格的な始まりというべき新たな時期を迎えている」と述べています。決議案でも述べているように、この情勢の変化は、自然に起こったものではなくて、全党の不屈の奮闘がつくりだしたものであります。決議案には、そうしたこの間の全党の奮闘、苦闘、探究、成果、その全体が刻み込まれています。いわば、この決議案は、全党のこの4年間の不屈の奮闘がつくりだした成果だといえると思います。

世界論と日本政治論が、一体的に受け止められ、確信と展望を広げている

 二つ目は、決議案第2章の世界論と、第3章の日本政治論が、一体的、立体的に受け止められ、深い確信と展望を広げていることです。

 決議案が述べているように、2010年代の世界の動向を大局的にとらえるならば、複雑さや逆行をはらみながらも、20世紀におこった「世界の構造変化」が生きた力を発揮しだしている。平和と社会進歩への大きな動きが進展している。こういう世界像を私たちは綱領の立場でつかむことができます。

 そしてその目で日本の政治を見ますと、歴史の逆流と本流がはっきりうかびあがってきます。安倍政権の反動的暴走が、世界の大勢にてらせば文字どおりの逆流であること、日本共産党の立場は、世界史の大道に立った本流であることが明瞭になってきます。

 決議案では、第2章で、東南アジアでおこっている平和の大きな動きについて解明したうえで、第3章で、「北東アジア平和協力構想」を提唱しましたが、この提起に対しても歓迎の声が多く寄せられました。これは、第2章の世界論を踏まえた、日本外交論の発展として提起したものであります。

国政・地方選挙での躍進、2010年代の党建設の大目標について

 三つ目に、決議案第4章の国政・地方選挙の方針と、第5章の党建設の方針に対しても、積極的な受け止めが寄せられました。

 国政選挙で、比例代表で「650万、得票率10%以上」を着実に達成・突破するという目標の提起について、全国から感想で、「地に足がついた提起だ」、「必ずやりきろうという意欲がわく」という受け止めが多く寄せられています。

 同時に、決議案が第5章で、2010年代の党建設の目標として、「党勢の倍加」と「世代継承に全党をあげてとりくむ」という二つの大目標を提起したことに対して、「民主連合政府の道を開く大志とロマンある提起だ」、「大事業だが挑戦しよう」という声が、感想でも討論でも寄せられました。

日本における未来社会の展望についての解明に共感と歓迎が

 四つ目は、決議案第6章で、“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか、日本における未来社会の展望をどうとらえるかについて踏み込んだ解明をおこなったことが、大きな共感と歓迎をもって受け止められていることであります。

 こうした解明が待たれていた、この内容をもって国民のなかで対話・宣伝を進めたいという発言が出されました。この問題は、苦手の問題では決してなく、日本共産党の未来社会論の豊かさ、素晴らしさを語る絶好の問題ともなる、そのことが大会決議案で示されたのではないでしょうか。この重要な綱領的未来の問題についても、多くの発言や感想で語られ、深められたことはきわめて大切なことであります。

 (つづいて志位委員長は、中央委員会総会で寄せられた意見をふまえて、大会決議案の修正・補強に関する提案をおこないました。また、総会で出された決議案にかんする質問に対して、回答しました)

 全体として、大会決議案は、「自共対決」時代の本格的な始まりという情勢のもとで、世界の大局的な動きも広く視野におさめながら、日本の社会変革の事業の前途を太く明らかにしたものとして、全党討論に付すにふさわしいものになったということが確認できると思います。

大会決議案を全党の英知を結集して練りあげる

 つぎに、党大会にむけた活動について報告します。党大会にむけて、私たちはつぎの二つの大きな仕事をやりあげていく必要があります。

 第1の仕事は、大会決議案を、全党の英知を結集して練りあげることであります。

すべての支部で決議案を討議することに力をそそぐ

 この仕事では、すべての支部で決議案を討議することに、とりわけ大きな力をそそぎたいと思います。

 大会にむけた支部総会は、決議案を練りあげるうえで、最も基本的かつ正規の場になります。支部総会をけっして形式的なものに終わらせず、必ず決議案の討論をしっかりおこなうようにしたいと思います。

 同時に毎回の支部会議で、繰り返し討論をおこなうことも重視します。決議案は、一定の分量もあり、多面的で豊かな内容が盛られています。新しい問題提起も随所に含んでいます。繰り返しの討論で深め、練りあげることを訴えるものです。

決議案をすべての党員に届けきる――“温かい党”をつくる新たな第一歩として

 その前提として、大会決議案をすべての党員に届けきる仕事に、すみやかに取り組み、やりとげることを訴えたいと思います。そのために、党中央として、全党員に決議案を送る措置をただちにとります。

 大会決議案では、すべての党員を大切にする“温かい党”をつくろうということを訴えています。大会決議案をすべての党員に届ける仕事を、実務の仕事としないで、この仕事を通じて、それぞれの党員がおかれている状況、悩み、願いなどをよくつかみ、みんなが参加する“温かい党”をつくる新たな第一歩を踏み出す、そういう位置づけで、この仕事に取り組むことを訴えるものです。

大会決議案の読了――指導的同志は1週間以内に読了を

 大会決議案と9中総決議の読了については、読むことを基本にし、大いに奨励したいと思います。同時に、機関と支部の責任ある同志が、一定時間をかけて説明し討論すれば、読了とみなすという措置も、積極的に活用して推進をはかります。

 そのためにも都道府県と地区委員会の機関役員、支部長と支部指導部、議員の同志――指導的同志は、大会決議案と9中総決議を、それが発表される明日から数えて1週間以内、すなわち11月21日までに読了することを呼びかけるものです。

 今日から大会までの期間は、まるまる2カ月以上あります。これだけの時間をかけて全党の英知を結集した民主的討論で方針を練りあげる党は日本共産党だけであります。文字どおり全党の英知を結集して、大会決議案をよりよいものに練りあげる仕事にとりかかろうではありませんか。

「『大運動』目標総達成の特別期間」を必ず成功させよう

 第2の仕事は、「『大運動』目標総達成の特別期間」を必ず成功させることであります。

 その方針は、すでにこの問題での「決議案」に詳細に書かれていますが、私は討論を踏まえて三つの点を述べたいと思います。

「特別期間」成功の最大の政治的推進力――大会決議案

 第一は、「特別期間」成功の最大の政治的推進力となるのは、大会決議案であるということであります。

 大会決議案で分析された内外情勢の特徴と日本共産党の任務そのものが、党に大きな政治的活力、政治的確信、政治的展望を与えるものになることは間違いありません。またそこで解明されている世界論、日本政治論、未来社会論などは、「集い」などで党の姿を国民に丸ごと語るうえで、大きな力を発揮することになると思います。

 同時に、大会決議案は、党建設についても、2010年代に党勢の倍加、世代的継承という二つの大目標に取り組むことをはじめ、ロマンと大志ある目標を示し、全党の経験を踏まえた方針を明らかにしています。

 「特別期間」の成功を、大会決議案が示す2010年代の党建設の目標をやりあげていく第一歩の取り組みとして位置づけ、必ず成功させようではありませんか。

新しい情勢のもとでの党勢拡大の条件と可能性が豊かに語られた

 第二は、討論を通じて「特別期間」を成功させる条件と可能性が豊かに語られたということであります。

 党員拡大が、新しい情勢のもとで、新しい質をもって発展していることが語られました。ある県からの発言では、この間の入党者は、生活相談などを通じてのものとともに、労働問題での取り組み、放射能被害から住民を守る運動、保育園の待機児童をなくす運動など、多面的な国民運動に取り組むなかで、新しい層から入党者が生まれているということが報告されました。

 参議院選挙後の入党者を調べてみたら、参議院選挙で日本共産党に投票しなかった人からも、たくさんの入党者が生まれている。つまり、日本共産党が獲得した515万人の支持者以外の人々からも入党者が生まれているということも語られ、この運動には広大な条件があるということが明らかにされました。

 大会決議案は、「職場での党づくりはいま、歴史的チャンスのときを迎えている」と述べましたが、討論でこのことは豊かに裏づけられました。公務労働、教職員、医療分野などでの党員拡大の先駆的な取り組みの経験が、各地から生き生きと報告されました。そのさい、多くの場合に、労働者が入党する動機が、「社会に役立つ、いい仕事がしたい」という労働者の根本的要求と結びついているということは、大切な点であります。そして、自らの仕事に誇りを持ち、仲間を大切にして頑張っている党員の姿が、そうした労働者に信頼と尊敬を広げ、党員拡大につながっていることも、たいへん重要な点であります。ここには、大きな可能性があるということが、討論からも浮き彫りになりました。

 若い世代のなかでの党建設についても、多くの発言で深められました。私たちが重要だと感じたのは、党機関がこの問題を正面から議論するとともに、地域支部も若い世代の結集を位置づけて思い切って足を出せば、前進は可能だということです。地域支部が、党の持つ結びつきを出し合って、「青年マイ名簿」をつくり、「青年の集い」を開くなど、果敢な取り組みをおこなって、青年を結集している経験が語られましたが、たいへんに教訓的な取り組みだと思います。

 「特別期間」を成功させる条件と可能性は大いにある。このことは2日間の討論でも裏づけられました。ここに確信を持って頑張りぬこうではありませんか。

目標総達成の決意を固め、党勢の高揚のなかで党大会を大成功に導こう

 第三は、この総会で「特別期間」を提起したのは、「党勢拡大大運動」の目標を総達成することが、「自共対決」の情勢を主導的に切り開き、“第3の躍進”を本格的な流れにするために不可欠であるからです。

 この点について、討論のなかで、一連の同志から率直な自己分析の発言もされました。ある同志は、「『大運動』について、目標の総達成ということをいいながら、実際の目標は月末に減らしてはならないというだけになっていた。ここで頭と心の転換をはかり、目標達成に正面から挑む決意で頑張りぬく」、こういう発言もしました。

 目標を総達成するための「特別期間」であります。目標を総達成するという決意をしっかり固めてこそ、知恵も力もわいてきます。この決意を、私たち中央役員がまずしっかりと固め、それを全党に広げ、全支部、全党員の運動にしていきたいと思います。

 みなさん。自ら決めた目標を必ず達成する。このことを腹の底からの私たちの共通の決意として、「特別期間」の成功を必ずかちとり、党勢の高揚のなかで、来るべき党大会を大成功に導こうではありませんか。

 以上で討論の結語といたします。ともに頑張りましょう。


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