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2013年10月31日(木)

主張

産業競争力強化法

大企業は甘やかし放題なのか

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 今国会を「成長戦略実行国会」と位置づける安倍晋三政権の重要法案の一つ、産業競争力強化法案が衆院で審議入りしました。「アベノミクス第3の矢」である「成長戦略」は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」に日本をつくりかえるものです。「成長戦略」を具体化した競争力強化法案には、大企業のための至れり尽くせりのメニューが並んでいます。大企業ばかり成長しても、国民の暮らしは向上しないし、経済は再生もできません。こんな逆立ちした政策はやめるべきです。

おもてなしメニュー

 安倍政権の「成長戦略」の方針文書は、今年6月に閣議決定した「日本再興戦略」です。国内の大企業を「世界で戦える筋肉質」にする支援策を列挙しています。それと同時に、外国からの企業呼び込みなどをめざし企業活動の「足かせ」となっている規制や制約を政府が積極的に省く「規制省国」という考えを打ち出しました。

 競争力強化法案はそれを加速するための仕掛けづくりです。11月初めにも国会提出予定の「国家戦略特区」法案と抱き合わせで、大企業にとって目障りな制度の規制緩和を推進するものです。

 競争力強化法案で新設する「企業実証特例制度」(企業特区)は、「企業単位」で規制緩和を認めるという異常な制度です。企業が新しい分野の商品開発などをする場合、ある規制が開発の邪魔になっていると企業が申し立てれば、その規制の撤廃を「特例的」に認める仕組みです。その規制撤廃が多くの企業にも「有益」と判断されれば全国規模に拡大することもあるとしています。国民を守るための基準や制度を破壊する突破口は明らかです。茂木敏充経産相は、労働時間など労働法制の規制緩和もありうるとの立場を示しました。

 社会保障制度の公的保険に「隣接」する分野などでも、企業が「安心」して進出できる「グレーゾーン解消制度」もつくります。国民の健康や命にかかわる安全基準を置き去りにした乱暴なやり方です。企業に言われるがまま規制を緩和・撤廃する仕組みの導入など絶対に許されません。

 再編・統合をすすめる企業への優遇措置を盛り込んだことは、露骨な“大企業中心のおもてなしメニュー”です。1999年に導入され、電機産業分野で18万人もの労働者のリストラ強行にお墨付きを与えた産業活力再生法の仕組みも継承・強化する計画です。なりふり構わず大企業支援に突き進む姿勢を浮き彫りにしています。

 こんな「成長戦略」で雇用も経済も成長しないことは明らかです。90年代以降の歴代政権は規制緩和や構造改革を推進しましたが、世界的な多国籍企業に成長したのは自動車など一握りの大企業だけでした。国内の産業空洞化、雇用破壊や賃下げがもたらされ、消費を冷やし深刻な不況に陥っているのです。日本経済の再生には根本的な転換こそ必要です。

暮らしの強化こそ急務

 消費税大増税や社会保障破壊などで国民に「自助努力の痛み」を強いる一方で、大企業を限りなく甘やかす政治に期待できません。

 大企業いいなり政治を根本から改めるときです。賃上げをはじめ国民の生活を支えることを最優先にした政治への転換こそが日本経済の再生・成長への道です。


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