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2013年10月18日(金)

伊豆大島台風被害

手作業の救出活動続く

「早く見つかって」

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 台風26号による記録的豪雨に襲われた伊豆大島(東京都大島町)。三原山の表面が広範囲に削られ、海に向かって赤黒い土砂が広がっています。地区の大半が土石流にのみ込まれ、多くの住宅が流された元町神達(かんだち)地区。土石流の跡は三原山中腹からずっと続いていて幅は広いところで200メートルを超えています。住宅の面影はありません。17日も早朝から大島町消防団がチェーンソーで流木を切り、手作業でガレキを取り除き生存者がいないか懸命の捜索が続きました。 (柴田善太、写真も)


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(写真)1階が土石流で流された自宅の荷物を運び出す成瀬さん=17日、東京都大島町

 朝7時、土砂で覆われた地域の近くの家の壁に頭をつけてうつむいている女性(70)がいました。

 「友人を探しにきたけどガレキと泥で私の足では上にいけない」

 友人は息子と2人暮らし、親戚3軒も隣接していましたが、4軒とも土砂に流され、住民は行方不明だといいます。

 町役場には行方不明者の名簿が張り出されています。名簿を見ていた夫妻が「あっ」と声を上げました。「うちの従業員です」

 神達地区と同様、土石流の被害を受けた元町3丁目。豪雨で氾濫した「大金沢(おおかなざわ)」から約100メートル地点で生活用品店を営む男性(59)は16日、午前2時すぎに、隣に住む息子からの電話で目が覚めました。

 「オヤジ、外を見てみろ」

 家の前の通りを、街灯に照らされて黒い塊が流れていました。土石流がコンクリートの塊も流していたといいます。消防団員が通りを渡ろうとしましたが、あきらめて引き返していきました。

 町が避難勧告を出さなかったことについて、男性は「あの段階で避難勧告を出されても、外に出られたものじゃない。早く勧告を出すべきだったとしても、前日はたいした雨ではなかったし難しいところだ」と話します。

 自宅1階を土石流で流され、柱数本が残りかろうじて2階で一夜を過ごした書店経営の男性(54)が荷物を運び出していました。朝5時半から作業です。

 男性は「私は書店が無事だったからよかった。まだ行方の知れない人がいる。早く見つかってほしい」と話します。

 捜索は、消防団、東京消防庁、警察、自衛隊など1100人規模で続けられました。


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