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2013年10月5日(土)

汚染水処理設備また停止

福島第1 タンク間のトラブル

12時間後再開

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 東京電力は4日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、汚染水から放射性物質を減らす「多核種除去設備」(アルプス)の異常を示す警報が鳴り、汚染水処理ができない状態になったと発表しました。処理の停止は先月も発生し、試運転開始から2回目。原因調査を終え、約12時間後に運転を再開しました。


 東電によると、警報が鳴ったのは4日午前6時45分ごろ。これまでのところ、汚染水の漏えいは確認できていません。

 警報が鳴ったのは、設備内で廃液を移送するタンク間のトラブルによるもの。廃液を送る側のタンクで、排水する水位となって移送するラインの弁が開いたのに、廃液を受け入れる側のタンクでは、受け入れ停止の信号が出たためといいます。東電は「想定していなかった」と説明。

 廃液は、放射性物質を処理する吸着塔で目詰まりの可能性があるとして、洗浄するために使った液体だといいます。

 東電は、廃液を受け入れる側のタンクについて、トラブルで停止中のB系統にあるタンクに切り替えるなどの措置をとったといいます。

 アルプスは、政府や東電にとって汚染水対策の「切り札」と位置づけられており、現在は試運転中。しかし、トラブルが相次いでおり、安定的な運用ができていません。

 今回警報が鳴ったアルプスは9月27日に試運転を始めましたが、約22時間後にトラブルが発生し、処理を停止しました。東電は、回収すべきだったゴム製の敷物が装置のタンクに放置され、廃液の流路をふさいだことが原因と説明。30日に試運転を再開したばかりでした。

 東電は停止中の2系統のうちA系統の再開準備で、試運転中のC系統のタンクを使うため、C系統を5日から一時停止すると発表しました。


 アルプス セシウム吸着装置で取り除くことができない、ストロンチウム90など62種類の放射性物質を取り除く目的で導入された設備。トリチウム(3重水素)は取り除くことができません。A、B、Cの3系統があり、それぞれ1日250トンの処理能力があるといいます。しかし、A、B系統は3月と6月に試運転を開始したものの、処理前の汚染水をためるタンクで腐食が見つかり、8月に運転を停止。今回、試運転しているのは残るC系統。


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