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2013年10月4日(金)

全国の国立大教授ら「賃金支払いを」

減額は不当 各地で裁判

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 昨年、全国の国立大学法人・国立高等専門学校で、最大で1割近くの大幅な賃金カットが強行されました。これに対し、7月までに、全国大学高専教職員組合(全大教)に加盟する八つの組合で約500人が原告となり、減額された賃金の支払いなどを求める裁判をおこしました。国立大学の教授らが賃金問題でこれだけの規模の裁判を起こすのは初めてです。

賃金切り下げは労働契約法違反

 国立大学・高専の教職員は、2004年4月の法人化で公務員から民間労働者と同じ身分になりました。賃金や労働条件は、法人と労働組合との団体交渉で決めるようになったのです。

 しかし、昨年の国家公務員「賃下げ」特例法をうけ、ほとんどの大学・高専の法人は、政府からの要請を口実に、教職員の強い反対を押し切り、一方的に、国家公務員と同等額の賃金カット(最大9・77%、平均7・8%)を強行しました。明らかな労働契約法違反です。

 京都地裁に提訴した京都大学職員組合副委員長の高山佳奈子教授は「こんな不合理なことが教育・研究機関で行われていいのかを訴えたい」と語っています。

優秀な教授の流出止まらず

 賃金カットは、教育研究に深刻な影響を与えています。高知大学教職員組合のアンケートによると、賃金カットで「働く意欲が下がった」教職員は67%にのぼりました。

 優秀な教授の流出も止まりません。東京大学のある研究科では法人化以降、定年前に退職した教授は10人にのぼり、うち8人は私立大学への転出です。

 政府は、自ら賃下げを強要しながら、法人が賃金カットしたことを口実に運営費交付金を629億円も削減。これで法人化後の削減額は、東大と京大の廃止に匹敵する1700億円にもなりました。

 全大教の森戸文男副委員長は「安倍政権は世界ランキング100に入れとはっぱをかけるが、法人化で疲弊しているうえに、賃金カットでは、モチベーションはあがらない」と語っています。

公共的役割にふさわしく

 賃下げは、あらゆる経営努力を行ったうえで、最後の最後に労働組合との合意のもとに行うべきものです。しかし、多くの法人は、「国からの要請」という圧力に屈しました。その判断は、財務状況を十分に検討して賃金カット回避に努力した結果ではありませんでした。ある大学は、裁判で、政府の報復を恐れて言いなりになったと証言しています。

 森戸副委員長は「自律性を高めるという口実で法人化したのに、国のいいなりでいいのか。大学教員はその公共的な役割にふさわしく身分を保証する必要がある。それを勝ち取るためのたたかいだ」と決意を語っています。

 (学術・文化委員会 土井誠)


裁判を起こしている労働組合

 全国大学高専教職員組合(全大教、中嶋哲彦委員長)・高専協議会、高エネルギー加速器研究機構、福岡教育大学、山形大学、富山大学、京都大学、新潟大学、高知大学の各組合。さらに、いくつかの組合が提訴準備中です。


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