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2013年9月29日(日)

ASEANの経験を北東アジアに

志位委員長、インドネシア副外相と会談

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 【ジャカルタ=面川誠】日本共産党の志位和夫委員長は27日、ジャカルタのインドネシア外務省でワルダナ副大臣と会談し、長年にわたって軍事力に頼らない安全保障の取り組みを続けている東南アジア諸国連合(ASEAN)の経験を北東アジアに生かす展望について、広範な問題で意見交換をしました。


両国関係

写真

(写真)会談後に握手する志位委員長(右)とインドネシアのワルダナ外務副大臣=27日、ジャカルタ(面川誠撮影)

 ワルダナ氏は会談冒頭、「ニューヨークの国連に行っているマルティ外相の代理として私がお会いします。委員長の訪問によってインドネシアと日本の両国関係がもっと強くなると確信しています」と、志位氏を歓迎しました。志位氏は、「私たちは野党の立場ですが、両国関係の発展を心から喜んでいます。両国関係のいっそうの発展のために私たちも努力したい」と語りました。

平和的アプローチ

 志位氏は、インドネシアが現在すすめている「動的均衡」と呼ばれるアジア・太平洋地域の平和と安定のための構想について、「『軍事力の均衡』や『軍事的な抑止力』という古い考え方ではなく、対話と信頼醸成、紛争の平和的解決によって安全保障を実現するという新しい構想だと理解しています」と語りかけました。

 ワルダナ氏は、アジア・太平洋地域の平和を実現するためには「ASEANの中心的役割」と「動的均衡」という二つの要素があると指摘。「動的均衡」について、(1)特定の国による支配を許さない(2)各国への建設的な関与によって相互の利益をはかる(3)ある国の利益がある国の不利益にならない「ウィンウィン」の関係を築く(4)平和的交渉によって紛争を解決し相互に尊重しあう―ことをあげ、なかでも4番目が最優先だと語りました。

 これに対して志位氏が「大いに共感します。軍事に頼るのでなく、平和的な取り組みに徹することですね」と述べると、ワルダナ氏は「軍事に軍事で対抗するやり方は容認されません。現在の喫緊の課題は、潜在的な紛争を外交と平和的交渉で解決する最善の策を見つけることです」と強調しました。

「外交ビジョン」

 志位氏は、ワルダナ氏が8月のASEAN記念日の演説でASEANの経験をアジア・太平洋地域に広げるという構想を表明していることに触れながら、「私たちは、東南アジア友好協力条約(TAC)のような紛争の平和的解決をはかる国際規範を、北東アジアでも構築することを目指すという政策ビジョンを打ち出しています」と述べて、日本共産党の「外交ビジョン」の英語版を手渡しました。

 ワルダナ氏は「委員長のそのようなイニシアチブを歓迎します」と述べ、「この点でASEANと北東アジア諸国の協力を進めたい。ASEANの経験と教訓を北東アジアに生かしていただきたいと思います。TACのように、北東アジアでも平和と安定につなげてほしい」と語りました。

核兵器廃絶

 志位氏は、2010年に国連本部で行われた核不拡散条約(NPT)再検討会議に参加した際、マルティ・インドネシア外相が、非同盟諸国を代表して行った演説で、核抑止力論を批判し、「核兵器禁止条約(NWC)」の国際交渉開始を求めたことに感銘を受けたと述べ、「15年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて、『核兵器禁止条約の国際交渉開始』が国際社会の合意になるよう、互いに協力したい」と述べました。

 これに対してワルダナ氏は、「完全に理解します。インドネシアはこのフォーラム(NPT再検討会議)での活動に努力しています。この点で前進させていきたい」と応じました。

 志位氏ら日本共産党代表団は27日、戦略国際問題研究センター(CSIS)のフィリップ・ベルモンテ政治・国際関係部長、スマディ・ブロトディングラト国防相顧問と懇談しました。


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