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2013年9月15日(日)

緊縮政策つづけば欧州モデル 危機に

国際援助団体が報告

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 【パリ=浅田信幸】国際援助団体オックスファムは12日、社会保障や公共サービスが整い、労働者や女性の権利が守られているという欧州の社会モデルが、緊縮政策によって危機に陥ると警告する報告書「警告的な話 欧州における緊縮の真のコストと不平等」を公表しました。

 欧州で現在の緊縮政策が継続されれば、2025年までに1500万〜2500万人が新たに貧困に陥り、欧州の貧困人口は1億4600万人に達すると予測しています。

 緊縮政策という、まずい構想によって欧州モデルが揺らいでおり、「こうした措置が点検を受けないなら、欧州の社会的獲得物を掘り崩し、分裂した国と分裂した大陸を造りだし、一世代を貧困の中に閉じ込めてしまうだろう」と述べています。

 緊縮策は1980〜90年代に国際通貨基金(IMF)が南米諸国などに押しつけた破滅的な「構造調整政策」を思い出させると指摘。「この政策は失敗であった。病気を治そうとして患者を殺してしまった。同じことを繰り返すのは許されない」と警告しました。

 オックスファム欧州連合(EU)事務所のナタリア・アロンソ所長は報告の発表にあたり、「緊縮で利益を得ているのは最も富裕な10%だ。緊縮策を最も過激に推し進めている国、ギリシャやアイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン、英国は、指導者たちが方針を変えなければ、まもなく世界で最も不平等な国に仲間入りするだろう」と指摘しました。

 報告書は効果のない緊縮策の代わりに、(1)人と経済成長への投資(2)公共サービスへの投資(3)民主主義の強化(4)公正な税制度の確立―を勧告しています。


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