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2013年8月24日(土)

主張

TPP閣僚交渉

山積みの危険性まざまざと

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 環太平洋連携協定(TPP)交渉に本格参加したばかりの安倍晋三政権が、米国の言いなりに「年内妥結」に向けて暴走を加速させています。TPPは「例外なき関税撤廃」をはじめとする「高いレベル」の貿易自由化をめざすものです。安倍政権が国民に公約したように、コメなど農産物5品目の「例外扱い」をはじめとする「国益」を主張するのなら、交渉の“障害”を切り捨てる早期妥結が得策であるはずがありません。

米国が押しつけた会合

 TPP交渉に参加する日米など12カ国は、ブルネイで開いた閣僚会合で年内妥結の決意を示した共同声明を採択しました。これは米国が押し付けた結果です。通常は開催国が務める議長を、フロマン米通商代表部(USTR)代表が務め、米国の主導ぶりが形式からも際立つ異常な交渉です。

 TPP交渉は21分野にわたり、関税撤廃をはじめ知的財産権や国有企業の扱いなど、なお多くの分野で各国間に対立があるとされます。なかでも、徹底した自由化で多国籍企業の利益実現をめざす米国と、自国経済の利益の確保をめざす新興諸国との対立が伝えられます。年内妥結に赤信号が点滅するなか、突破口を開くのが閣僚会合を求めた米国のねらいです。TPPを米経済立て直しの柱と位置づけるオバマ米政権にとって、来秋の米中間選挙で成果をアピールするには年内妥結が必須の条件になっています。

 日本は今回の交渉会合で、関税を即時撤廃する品目の割合を80%程度とする案を示したとされます。交渉での引き上げを視野に入れたものですが、交渉を主導する米国などは90%台後半を要求する構えとされ、5品目の例外扱いさえ吹き飛びかねません。

 重大なのは、安倍政権が米国の尻馬に乗って年内妥結の旗を振っていることです。閣僚会合に先立って来日したフロマン代表との会談で、菅義偉官房長官や甘利明経済財政相らは年内妥結を合言葉に、米国と一体で交渉を主導する姿勢を表明しました。安倍政権には「国益」を守るために、過度の自由化に反対して米国に対抗する国ぐにと歩調を合わせようという姿勢はみじんもみられません。

 TPPは日本農業に壊滅的打撃となるのをはじめ、「国のかたちを変える」といわれるほど国民生活に影響を与えます。そのTPPを、安倍政権が自ら命運をかける成長戦略の突破口にしようとしていることは見過ごせません。

 安倍首相は7月、訪問先のシンガポールで、日本が生産性を伸ばすのに「必要なのは規制の大胆な改革です。TPP交渉のような外部からの触媒です」と述べました。財界本位で国民に反対が強い規制撤廃も、TPPへの備えを口実に強行しようというのです。

反対運動も正念場に

 参院選後に開かれた政府の規制改革会議は、営利目的で農地の荒廃につながる株式会社の農地取得や、国民皆保険制度の崩壊につながる混合診療の全面解禁などを進める姿勢を鮮明にしています。これらはTPP参加がもたらす危険として、国民が強く警戒してきた問題にほかなりません。

 交渉参加が本格化し、将来にわたる国のあり方がいよいよ問われるもとで、国民のTPP反対の運動も正念場を迎えています。


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