2013年8月22日(木)
ベトナム中部地元自治体
原子力センター建設に同意せず
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【ハノイ=面川誠】ベトナム政府が中部ラムドン省に建設を予定している原子力技術センターに対して、放射能汚染を懸念する地元自治体が建設に同意せず、着工のめどが立っていないことが分かりました。ラオドン紙(ベトナム労働総同盟機関紙)などが伝えました。
原子力技術センターはラムドン省ダラトに建設予定。ダラトにはすでに原子力研究所があり、実験用原子炉も備えています。ベトナムは2020年の原発稼働開始を目指しており、政府は原発人材育成のために新たにセンターが必要だとしています。
南部ブンタウで15、16の両日開かれた第10回全国原子力科学技術会議で、ベトナム原子力委員会のチャン・チー・タイン委員長は、ラムドン省が放射能汚染への「恐れ」を理由にセンター建設に同意せず、建設場所を変更するよう求めていると明らかにしました。
レ・ディン・ティエン科学技術次官は、原発の建設、運用、安全管理、監視機関のあらゆる分野で専門家が不足していると指摘。タイン氏も、「専門家の養成が至急の課題になっている。原発計画の立案から何年もたっているが、専門家がまったく育っていない」と危機感をあらわにしました。
センターにはロシアからの技術、資金援助で研究用原子炉も設置される予定で、15年中の着工を計画しています。科学技術省がラムドン省人民委員会(地方行政機関)を説得中ですが、省側の態度は変わっていないといいます。