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2013年8月21日(水)

ワシントン大行進50周年

人種間格差 経済は拡大

高校卒業率など抜本改善

米国 週末から催し

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 【ワシントン=島田峰隆】人種差別撤廃を求めて行われた1963年のワシントン大行進から50周年を記念する催しが今週末からワシントンで相次いで開かれます。24日には人権団体や労働組合などがデモ行進します。オバマ米大統領は28日に演説します。

 大行進の影響を受けて64年に公民権法、65年には投票権法が成立し、黒人の権利は少しずつ拡充されてきました。

 人権団体によると、50年前には黒人成人の75%が高校を卒業していませんでしたが今では85%が高校を卒業しています。黒人の企業経営者や政治家も多く生まれ、オバマ氏は米国史上初の黒人大統領となり、昨年再選されました。

 一方で今年6月末に最高裁が、南部州の黒人の有権者登録の妨害を是正する投票権法の一部について初めて違憲だと判断するなど、差別が根絶されたわけではありません。最近特に問題として指摘されているのが人種間の経済格差です。

 経済政策研究所(EPI)など米研究所の調査によると、50年前の失業率は白人5%、黒人10・9%でした。現在の失業率も白人6・6%、黒人12・6%と差が開いたままです。過去30年間に、平均的な白人世帯の収入と黒人世帯の収入の格差は5倍から6・5倍に拡大しました。

 ホワイトハウス関係者は米メディアに対し「貧困や失業の面では有色人種の人々が不釣り合いに悪影響を受けている」と指摘。オバマ氏は人種間の経済格差克服に重点を置いた演説を準備しているといいます。

 人権団体ナショナル・アーバン・リーグのマーク・モリアル議長はこのほど行った演説で「黒人大統領の誕生など50年前には想像もできなかったことが起きている」と指摘。同時に「いま直面する課題は経済的権利の向上だ。50年前に始まったわれわれの仕事を仕上げよう」と語り、24日の行進への参加を呼び掛けました。


 ワシントン大行進 1963年8月28日に米国の首都ワシントンで行われた有色人種に対する人種差別撤回を求めるデモ行進。「雇用と自由を」をスローガンに20万人以上が参加しました。米公民権運動の指導者、故マーティン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある」と人種差別のない社会の実現を訴える演説を行ったことで有名です。


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