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2013年8月17日(土)

衝突拡大の危険高まる

内務省、庁舎襲撃に実弾辞さず

エジプト

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 【カイロ=小泉大介】エジプト治安当局によるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の座り込み強制排除(14日)を受け、同胞団によるとみられる政府庁舎や警察署、キリスト教会に対する襲撃が15日もつづきました。内務省は同日、政府庁舎に対する攻撃には実弾で対処する方針を表明。衝突拡大の危険性が高まっています。

 15日には、首都カイロ郊外の財務省本庁舎やカイロ近郊ギザの県庁舎などが相次いで焼き打ちにあいました。東部シナイ半島や中部アシュートでは治安部隊が攻撃を受け、合わせて9人が死亡する事態も発生しました。

 一方、人口の約1割を占めるキリスト教徒に対する攻撃もやまず、人権組織「マスペロ青年連合」によると、15日までに全国9県で合わせて36の教会が放火により完全に破壊されました。同組織報道官は地元紙に対し「ムスリム同胞団はキリスト教徒とイスラム教徒との間に亀裂を生じさせようとしている」と厳しく非難しました。

 暫定政権は14日午後に1カ月間の非常事態令と夜間外出禁止令を発布しましたが、ムスリム同胞団は15日も各地で軍に解任されたモルシ前大統領の復職を求めてデモを実施。同胞団報道官は「われわれはクーデターに打ち勝つまで突き進む」と述べ、さらなる抗議活動を展開する意志を表明しました。

 警察を管轄する内務省は15日の声明で、「すべての部隊に対し、政府庁舎やわれわれの組織に対する攻撃には実弾をもって対処するよう指示した」とし、同胞団による破壊活動を徹底して鎮圧する姿勢を示しました。

 モルシ氏退陣を求める署名活動と6月30日の空前の大規模デモを主導した青年組織「反抗」が同日、同胞団の破壊活動から政府庁舎や教会を守るための「監視グループ」の結成を支持者に呼びかけるなどの動きも出ています。

 エジプト保健省によると、14日の軍による同胞団座り込み強制排除とその後の全土的な衝突による犠牲者は、16日午前の段階で死者578人、負傷者3500人以上に上っています。


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