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2013年8月15日(木)

エジプト 座り込みを強制排除

死傷者多数か、混迷さらに

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 【カイロ=小泉大介】軍によるモルシ前大統領解任(7月3日)が行われたエジプトで14日、治安当局が同氏の出身母体であるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の抗議の座り込みを強制排除し、多数の死傷者が出たもようです。流血の真相ははっきりしていませんが、軍の超法規的措置につづく今回の事態により、エジプト情勢がさらに混迷の度を深めることは避けられない状況です。

 モルシ氏の復職を求めるムスリム同胞団は、1カ月半にわたり首都カイロ東部のモスク(イスラム教寺院)周辺とカイロ大学前広場の2カ所を占拠し、座り込みをつづけてきました。エジプト暫定政府は今月1日以降、治安上の理由から速やかに中止するよう繰り返し訴えるとともに、和解のための対話に応じるよう求めていました。

 治安部隊は14日早朝、2カ所を包囲したうえで催涙弾を撃ち込み座り込み部隊の排除を開始。さらにブルドーザーでバリケードやテントを撤去しました。

 同胞団報道官は14日午前、強制排除は実弾を使用した「大量虐殺」だと非難するとともに、250人が死亡、5000人以上が負傷したと述べました。一方、保健省は同日午前、警官5人を含む13人が死亡、負傷者は98人と発表。内務省は「(同胞団の側から)銃撃を受けたが、われわれは催涙弾しか使っていない」と声明し、真っ向から対立する見解を示しました。

 強制排除後、同胞団はカイロはじめ各地で抗議行動を実施。道路を封鎖しいたるところに火を放つなどし、市民生活はまひ状態に陥りました。地元メディアは私服姿の若者が銃撃を行ったり、同胞団の座り込み現場から大量の銃や弾薬が押収される場面の映像を流しました。


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