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2013年7月20日(土)

米欧版TPP

米国の遺伝子組み換え食品

独 規制緩和に反対の輪

農業・消費者・環境団体が集会

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 米国と欧州連合(EU)は世界最大規模の自由貿易圏構築に向け交渉を開始しましたが、ドイツでは、米国が狙う遺伝子組み換え(GM)食品・農作物などの規制緩和に対し、農業、消費者、環境団体の反対の輪が広がっています。(片岡正明)


 8日に開始された環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)は、日本で大問題になっている環太平洋連携協定(TPP)の米欧版で、政府は「経済の発展や雇用の拡大」を売り文句としています。

 この交渉で米国側が実現しようとしている柱の一つが、GM作物の大幅な自由化です。米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は4月に「米国の農産物輸出に対して差別的あるいは不当な対策を続けている」と注文をつけています。背景にはGM作物を大量に生産しているバイオ化学企業モンサントの欧州上陸戦略があると、ドイツ経済ニュースは伝えています。

 フランス政府などはGM食品が自由化の交渉に含まれることを拒否する構えです。

 11日には、ドイツ消費者センターのゲルト・ビレン所長が「われわれが望まない食品は輸入禁止(や表示義務)を継続すべきだ」と公式に声明。その対象として具体的に、GM食品・作物、EU内で許可されていない化学添加物を使った食品、成長ホルモンを使って飼育されたりクローン技術を使って生まれた家畜の肉や乳を挙げました。

 13日には、独南部のミュンヘンで、農業、消費者、環境団体が主催し、GM食品の禁止継続などを求める集会が開催され、8000人が参加しました。環境団体ブントのフーベルト・ワイガー代表は「米国の危険なGM食品や化学添加物、成長ホルモンが使われた家畜の肉が食卓にあがることを断固拒否しよう」と訴えました。


 遺伝子組み換え(GM)作物 他の生物から取り出した遺伝子を組み込んだ作物。農作物の収量増加や害虫対策などを目的に開発され、米国は除草剤を散布しても枯れない等の性質を持つ大豆、トウモロコシなどのGM作物の生産大国です。健康への悪影響の懸念から反対が強く、生態系への脅威、独占企業による種子支配などの問題点が指摘されています。


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