2013年7月18日(木)
シリア難民数が深刻化
ルワンダ虐殺時並みに
国連安保理
【ワシントン=島田峰隆】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグテレス高等弁務官は16日、シリア内戦による難民が増え続け、1994年のルワンダ虐殺の時に匹敵する規模になっていると警告しました。国連安保理が同日開いたシリア情勢に関する会合で述べました。
グテレス氏は、国連が難民登録した約180万人のうち3分の2が今年に入ってからシリアから国外に逃れたと指摘。「これは1日平均6000人だ」「これほどの割合で難民流出が増えるのを見るのはルワンダ虐殺以来だ」と述べました。
また難民受け入れ国はレバノンやヨルダンなど周辺国であり、「シリアの紛争が地域全体に火をつけるという危険は口先だけの警告ではない」と語りました。
ピレイ国連人権高等弁務官の声明を読み上げたイワン・シモノビッチ国連事務次長補(人権担当)によると、戦闘で毎月約5000人が犠牲になっています。
同氏は、政権側は弾道ミサイルなどで「不釣り合いな爆撃や空爆」をしている一方、反政府側も拷問や誘拐などを行っているとして双方を批判。各国にいずれの側に対する武器援助もやめるよう呼び掛け、「軍事ではなく政治的な解決が必要だ」と強調しました。
国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、戦闘の危険やアサド政権による妨害により国連の事務所からわずか数キロの場所にさえ物資を届けられない状況が続いていると報告しました。