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2013年7月11日(木)

米州機構 欧州4カ国を非難

大統領機拒否事件 ボリビア連帯決議

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 【ワシントン=島田峰隆】南北米州35カ国が加盟する米州機構(OAS)は9日、南米ボリビアのモラレス大統領の専用機が複数の欧州諸国から通過を拒否された問題をめぐりワシントンで緊急会合を開きました。会合は、欧州4カ国を非難し、ボリビアに連帯を表明する決議を全会一致で採択しました。

 決議は、通過を拒否したとされるフランス、ポルトガル、イタリア、スペインの行為を「国際法の原則に違反する行為」として非難。これらの4カ国に対し、事態についての説明と謝罪を求めました。

 決議案はボリビアやニカラグアなど中南米4カ国が共同で提案しました。米国とカナダは、事件の全容がまだ明確でないとして「非難する」などの文言を弱めるよう主張しました。

 しかしコロンビアやパラグアイなど親米とされる国も含めて中南米諸国の圧倒的多数は欧州4カ国の行為を批判。結局、原案通りの文言が残り、米国とカナダは脚注でそれぞれの立場を表明する形となりました。

 OASのインスルサ事務総長は「民主的に選ばれた大統領への重大な侵害だ。この傷を治療する最良の方法は何が起きたかを知ることだ」と語り、欧州諸国に説明を求めました。

 エクアドルは「不可侵特権の無視など国際法の明らかな侵害だ。すでに克服されたはずの古い植民地主義の行為だ」と指摘。メキシコも「国際法の原則と外交上の儀礼はいかなるときも尊重しなければならない」と批判するなど、欧州4カ国への非難が相次ぎました。

米国の要請が原因と認めるスペイン政府

 ボリビア大統領機の通過拒否問題に関連し、スペイン政府は9日、米国の要請が原因で通過許可の決定が遅れたことを認めました。

 ロイター通信によると、スペインのガルシアマルガリョ外相は、米国の要請の有無を尋ねた記者団の質問に対し「(他の要因もあるが)とりわけ」と回答。スノーデン氏が同乗していないことを保証したボリビアのチョケワンカ外相を信頼し、最終的な通過許可を出したと述べました。


 ボリビア大統領機通過拒否事件 ロシアから帰国するモラレス大統領の専用機が2日、複数の欧州の国から通過を拒否され、ウィーン空港に半ば強制的に着陸させられた事件。米国家安全保障局(NSA)による情報収集を暴露して米国から訴追されたスノーデン氏が同乗していると疑われたためといわれています。


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