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2013年7月6日(土)

エジプト 暫定大統領就任

マンスール最高憲法裁判所長官

ムスリム同胞団は非難

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 【カイロ=小泉大介】エジプト最高憲法裁判所のマンスール長官は4日、軍が前日発表した「政治行程表」にもとづき暫定大統領に就任しました。一方、解任されたモルシ大統領の出身母体であるイスラム主義組織・ムスリム同胞団はモルシ氏がひきつづき大統領職にあるとの立場を崩しておらず、今後も緊迫した状況がつづく可能性があります。


 マンスール氏は首都カイロで行った就任宣誓で、この間、数百万規模の国民が反大統領デモに取り組んだことについて「エジプトの革命派の人々が国のいたる所で声を上げた。世界に対し力強さを示した彼らに敬意を表する」と述べました。またその後の会見では、「今後の国づくりにおいては誰も排除されることはない。ムスリム同胞団も国民の一部であり参加を歓迎する」と国民的和解を訴えました。

 軍の「行程表」では、現行憲法を一時停止したうえで、早期に大統領選挙を実施するとしており、それまでマンスール氏が暫定統治を行うことになります。

 一方、ムスリム同胞団は4日に声明を発表し、今回の軍の行動について「大統領と憲法の正統性を侵害する軍事クーデターだ」と改めて非難。団員に対し、モルシ氏支持の大規模デモに取り組むよう求めました。

 エジプトではモルシ大統領解任後、治安当局がムスリム同胞団幹部の取り締まりを強化しており、ロイター通信によれば、4日には最高指導者バディア氏が拘束されました。同氏には、カイロの同胞団本部前で抗議活動をしていた反大統領派に対する銃撃で8人が死亡した事件(6月30日)を扇動した容疑がかけられているもようです。

「クーデター」で政権打倒

トルコ外相が批判

エジプト外相は否定

 エジプト軍がモルシ大統領を解任したことについて、トルコのダウトオール外相が4日、「選挙で選ばれた政権が軍事クーデターで打倒されるのは認められない」と批判するなど、国際的には懸念と批判が表明されています。

 一方、エジプト軍がモルシ大統領を解任する直前に辞任を表明したアムル外相は同日、ケリー米国務長官をはじめ、複数国の外相とカイロ駐在の各国大使に、これがクーデターではないことの説明を行いました。

 ロイター通信によると、同外相は、軍の行動は国民の反政府デモに導かれたものであり、「軍に政治的な役割はない。これはクーデターとは正反対のものだ」と強調。「誰に対しても報復の行動はない。法の枠外で処理されることはない」「誰もが変革の過程に参加するという考えだ」と述べました。


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