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2013年7月5日(金)

エジプト “たたかいの結果だ”

モルシ「解任」 人々が喜び

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 【カイロ=小泉大介】エジプトで就任から1年間にわたり強権政治をつづけてきたモルシ大統領が3日、軍により事実上、解任されました。6月30日以降、同大統領の退陣を求め空前のデモを繰り広げた国民のたたかいが、歴史の新たな扉を切り開いた一方、軍の超法規的措置は今後の国民的和解に否定的な影響を与える可能性も残しました。


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(写真)タハリール広場でモルシ大統領解任を喜ぶ人々=3日、カイロ(小泉大介撮影)

「クーデターだ」 モルシ大統領が非難

 3日夜、テレビでシシ軍最高評議会議長が今後の「政治行程表」に関する声明を読み終わった瞬間から、首都カイロではいっせいに人々が街頭にくり出し喜びを爆発させました。

 知らない者同士が「マブルーク!(アラビア語でおめでとう)」と言ってにっこり。行き交う車のほとんどはクラクションを鳴らし、窓からは若者が半身を乗り出して国旗を振ります。街のあちこちで、4日未明まで花火が打ち上げられました。

 この間の反大統領デモの主要舞台となった中心部のタハリール(解放)広場には、3日夜も数十万人が集まり、大統領解任を喜び合いました。

 「今日は私の人生で最もすばらしい日です。エジプトにようやく、人々の笑顔が戻ってきました」。こういったのは会社員の女性、マルワ・ジャマルさん(25)。「モルシ大統領はエジプトに深刻な分裂状態をつくってしまい、とっくに正統性を失っていました。最終的に大統領は軍に解任されましたが、その動きをつくりだしたのはあくまで国民自身です」とつづけました。

 自営業の男性、フセイン・ハムディさん(33)は「(一昨年はじめの)革命の後には軍が実権を握りましたが、今回はそうはしないと約束しました。私たちは自らの力で革命の目標を達成していきます。今日は喜びの日ですが、明日からはまたたたかいの日々が始まります」と表情を引き締めました。

 反大統領派が喜びに沸くなか、モルシ大統領は3日に出した声明で、「軍が行程表を発表したことはクーデターそのものであり、完全に拒否する」と表明。今後も自らが大統領だと主張し、国民に対し「クーデター」に対抗するよう訴えました。同日には大統領の出身母体であるイスラム主義組織・ムスリム同胞団メンバーと反大統領デモ隊らが各地で衝突し、少なくとも14人が死亡、約100人が負傷する事態が発生しました。


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