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2013年6月27日(木)

電力各社 株主総会

原発撤退 提案次つぎ

会場外ではデモや宣伝

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 原発を持たない沖縄電力を除く全国の電力9社は26日、いっせいに株主総会を開きました。そのうち8社では、いずれも否決されたものの、個人株主らから原発からの撤退などを求める議案が提出されました。各地の会場前で「再稼働反対」「ただちに廃炉を」などと訴える市民の行動がおこなわれました。


関電 株主らにビラ

 神戸市内で開かれた関西電力の株主総会。原発からの脱却を求める株主提案を否決し、「安全が確認された原子力プラントは速やかに再稼働させたい」と原発依存の態度に終始しました。

 八木誠社長は、「さらなる安全性・信頼性向上に向けた取り組みを着実に推進することにより、世界最高水準の安全性を追求する」と強弁。「60年運転が可能であることが確認された」「原子炉廃止の時期は検討していない」と言うと、「どこが安全なんや」との声が飛びました。

 質疑では「なぜ稼働もしていない高浜原発に高額なMOX燃料を購入するのか」「関電出身候補の支持依頼が報道された。“ぐるみ選挙”は絶対にやってはならない」と批判が相次ぎました。

 会場前では、「エネルギー未来を考える市民株主と仲間の会」や近畿各地から駆けつけた労働組合員らが会場に向かう株主らにビラを配り、「原発をなくそう」「再稼働中止」をアピールしました。

 兵庫県尼崎市の女性(77)は「原発は反対。事故が起これば人間が住めない社会になる。企業は潤っても国全体がだめになる」と話しました。

東電 社長にやじも

 東京電力の株主総会は、東京都渋谷区内で開かれ、下河辺(しもこうべ)和彦会長が冒頭、原発事故について謝罪した後、「福島の復興こそ再生の原点。事故の責任を全うし、世界最高水準の安全確保と安定供給をやり抜くという新たな使命を果たす」などと述べました。

 福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の廃止を求める議案を説明した福島県浪江町の女性株主が「事故の際、何も連絡がないままに避難しました。放射性物質の中で生きることの不安、恐怖を考えてください」と切々と訴えると、拍手が湧きました。経営や廃炉状況について説明する広瀬直己社長らに、一部から「原発反対だぞ」とやじが飛ぶ一幕も。

 会場には1000人を超す株主が集まり、原発事故後に自宅の庭を自分で除染したという千葉県柏市の女性(62)は「事故が起きるまで分からないことがたくさんあった。原発はなくすべきだと思う」と訴えました。

九電 廃炉を求める

 九州電力の株主総会は、福岡市内で開かれ、脱原発を求める株主でつくる「九電消費者株主の会」メンバーや九州各県の市民ら約100人が会場内外で玄海・川内(せんだい)両原発の廃炉と再稼働計画の中止を求めました。

 九電消費者株主の会は総会に、川内原発の廃止など7議案を提出。すべて否決されたものの、ほかの複数の株主から原発事故の不安を訴える意見が出されました。

 総会内容を報告した九電消費者株主の会の深江守事務局長は、国の地震調査委員会から川内原発活断層評価の誤りを指摘されながら、間違いを認めず再評価も必要ないとする九電の姿勢を「新たな安全神話だ」と批判。「7月に玄海・川内両原発の再稼働申請をする九電の計画を止めるため運動を強めよう」と訴えました。

 会場外ではリレートークやデモ行進。北九州市の女性(54)は「原発の輸出を進める政府や再稼働を狙う九電は無責任。子どもたちに原発の問題を残さないよう訴えたい」と話しました。

四電 「再稼働危険」

 愛媛県にある伊方原発3号機の再稼働を目指す四国電力。高松市の本社で開かれた株主総会では、高松市の無職男性が「使用済み核燃料の処理もできてないのに賛成なんてできない」と強調。高知県いの町から足を運んだ女性(64)も「事故の検証なく再稼働は危険」と訴えました。


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