「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年6月17日(月)

「課税逃れ」議論へ

きょうからG8サミット

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【パリ=浅田信幸】主要8カ国(G8)首脳会議が17、18の両日、英・北アイルランドのリゾート地ロックアーンで開かれます。議長を務めるキャメロン英首相は12日の記者会見で、多国籍企業や富豪などによる租税回避地(タックスヘイブン)を利用した課税逃れの対策を主要議題にすると表明しました。

 米欧日はいずれも景気が停滞し、多くの国民は生活にあえいでいます。そうした中で情報通信(IT)大手のアップルやグーグル、アマゾンといった世界的に展開する企業が各国の税制の違いを利用して「節税」、つまり課税逃れで莫大(ばくだい)な利益を蓄積していることに批判の声が広がっています。

 昨年、英国で米コーヒー店チェーンのスターバックスやグーグルが税率の低い国に利益を移転し、英国での税負担を軽減していたことが批判されました。また今年5月には、アップルが同様の理由で米議会上院の批判を受けました。

 今年3月には、フランスの現職閣僚がスイスに秘密口座を持ち、本国での納税逃れをしていたというスキャンダルが発覚。また4月には国際ジャーナリスト集団による租税回避地の通信記録が暴露されて、国際的な関心を呼びました。

 10年前に英国議会で立ち上げられた調査機関タックス・ジャスティス・ネットワークによると、こうした税逃れによる所得税収の損失は3兆1000億ドル(約300兆円)にものぼります。欧州連合(EU)は、取り逃がしている税額が1兆ユーロ(約130兆円)になると見積もり、昨年の加盟27カ国すべての財政赤字のほぼ2倍に匹敵するとしています。

 税逃れ対策には、口座情報の交換や法人税率の差の縮小など国際的な協力が欠かせません。どこまで踏み込んだ措置で合意できるかが注目点の一つです。

 他方で、世界の金融センターであるロンドンのシティーこそが世界の資金を集中させタックスヘイブンへの中継基地となっているのではないかとの指摘もあり、その英国が旗振り役であることをやゆするメディアの論調もあります。

 サミットではそのほか、米政府が市民の通話記録などを収集していた問題やシリア反体制派への支援問題なども話し合われます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって