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2013年5月25日(土)

困窮世帯を制度からしめ出す

生活保護改悪法案 緊迫

来週にも審議入り 国連勧告に逆行

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 衆院厚生労働委員会で24日、現行の生活保護制度を大改悪する生活保護法改定案の趣旨説明が行われました。来週29日にも審議される予定です。安倍・自公政権は、与党と4野党がそれぞれ23日に提出した「子どもの貧困法案」と抱き合わせで、生活保護法改悪案を早期可決しようと狙っています。“子どもの貧困対策”を口にしながら、最も困窮している世帯を生活保護からしめだす改悪案の中身に批判が高まっています。


 現行法では、生活保護の申請者が口頭でも意思表示すれば、実施機関が要件を吟味し、保護を開始するかどうかを期限内に回答する義務を負っています。しかし改悪案は、申請者に書類提出の義務を負わせ、資産や収入などを記載した申請書の提出や、厚労省が定める必要書類の添付を求めています。申請時に必要書類がそろっていないと申請できなくなります。

 さらに、現行法では扶養は保護利用の要件ではありませんが、改悪案は、扶養義務者や同居の親族に対して扶養が困難な理由について「報告を求めることができる」と規定。実施機関が官公署などに資産や収入などの資料提出を求め、銀行や雇い主に照会することまで可能になります。

 日本弁護士連合会(山岸憲司会長)は17日に声明を発表。改悪案には、(1)(窓口で書類の不備などを理由に追い返す)違法な「水際作戦」を合法化する(2)(扶養照会によって)保護申請にいっそうの萎縮的効果を及ぼす―という点で、「看過しがたい重大な問題がある」と指摘しました。「我が国における生存権保障(憲法25条)を空文化させるものであって到底容認できない」と廃案を強く求めています。

 国連の社会権規約委員会は日本政府に対する勧告(17日)で、「生活保護の申請手続きを簡略化し、申請者が尊厳をもって扱われることを確保する措置」や、「生活保護につきまとうスティグマ(恥の烙印(らくいん))を根絶するために国民を教育する」ことを求めています。今回の改悪案は、国連勧告にも真っ向から逆行するものです。


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