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2013年5月21日(火)

消費税転嫁法案に対する

塩川議員の反対討論

衆院本会議

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 日本共産党の塩川鉄也議員が17日、衆院本会議で行った消費税転嫁法案に対する反対討論(大要)は次の通りです。


 私は日本共産党を代表して、いわゆる消費税転嫁法案に対する反対討論を行います。

 「転嫁できない消費税に、四半世紀にわたり苦しめられ続けてきた」――中小零細業者の悲痛な叫びが聞こえますか。

 24年たった今なお、零細な事業者ほど消費税の転嫁ができず、身銭を切った納税を迫られています。転嫁できていなくても、赤字事業者であったとしても納税を迫る消費税は、まさに「営業破壊税」ともいうべき、弱いものいじめの税金です。

 反対理由の第一は、本法案が、消費税の2段階の大増税を前提としているからです。

 いわゆるアベノミクスのもと、急激な円安と外資の流入によって、輸出大企業を中心に株価と収益が急速に回復しています。しかし、労働者の賃金や下請け単価は上がらず、国内設備投資は連続してマイナスが続いています。これらは日本経済の構造が、自動車産業をはじめ、海外に生産拠点を張り巡らした多国籍企業を中心としたものに変化したことを反映したものであり、2002年から07年まで続いた「雇用拡大なき景気回復」と似た状態です。仮にこうした経済情勢の下で消費税の大増税を強行すれば、雇用の7割を支える中小・零細業者の営業は破壊されます。「貧困と格差」を拡大し、内需をいっそう冷え込ませることは明白であります。

 第二は、消費税の転嫁を阻害する最大の要因である、大企業と中小企業の圧倒的な力の差を背景とした「下請けいじめ構造」を何ら改善するものでないからです。本法案により是正されるのは、「消費税分の価格への転嫁を拒否した」という、形式的・表面的な事例にすぎません。

 しかし、実際の事業者間取引では、消費税分も含めたコストダウン要請が、重層的な下請け構造の下位にいくほど、苛烈に押し付けられているのです。

 経済産業委員会の参考人質疑でも、「不当な買いたたきなのか自由な価格交渉なのかを判断するのは非常に困難だ」との指摘がありました。独禁法により優越的地位の乱用は禁止されていますが、これまでに買いたたきを理由とした摘発例はわずか1件。下請法でも1件にすぎません。下請けいじめ構造そのものにメスを入れることなしに、横行する買いたたきに対し実効ある措置が取れないばかりか、かえって下請けいじめを潜在化・巧妙化させることにもなりかねません。

 反対理由の第三は、下請けいじめ構造の是正がないままで、「消費税還元セール」等の宣伝・広告を禁止するという、筋違いの規制を行っているからです。景品表示法のガイドラインにより、「消費税分値引き」等の宣伝はすでに禁止され、これまでも公取委が改善指導を行ってきたではありませんか。

 ところが消費者担当大臣は私の質問に対し、現行制度の執行状況について何の検証も行っていないことを認めながら、反省もなく開き直りました。さらに、規制されうる宣伝の文言について、担当審議官が答弁内容を変更した問題でも、「わかりやすく言いなおしただけ」だと、言い逃れを繰り返すばかりです。まったくもって、無責任な態度だと言わざるをえません。

 最後に、中小企業の営業も国民生活も、底なしの泥沼に突き落とす消費税の大増税はきっぱり中止することを求め、反対討論を終わります。


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