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2013年5月20日(月)

全選挙区で“自共対決”に

様相激変「共産党に注目」

都議選 記者座談会

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 各党が参院選の前哨戦と位置づける東京都議選(6月14日告示、23日投票)は、都内42の選挙区で、各党・候補者が宣伝や支持拡大など本番さながらの選挙活動を展開しています。都議選の様相や争点などについて、担当記者で話し合いました。


 A 町内会の会合に、都議候補ばかりか国会議員まで来てあいさつするなどしているね。

「準国政選挙」首相らハッパ

  安倍晋三首相は都議選について「準国政選挙といってもいい位置づけだ。政権がすすめてきた経済政策の是非を問う」と力を込めていた。

  4月末に自民党本部で開いた都議候補者への公認証授与式では、石原伸晃都連会長が“憲法改定のできるような勢力を参院選でもとらなければならない”と述べ、都議選と参院選を一体のものとしてたたかうようハッパをかけていた。

  前回(09年)第1党になった民主党はどうなんだい。

  ある同党関係者は「支持率も調査のたびに最低を更新する状況で、存在感が全くない」と自嘲気味だ。

  都議選初挑戦の日本維新の会やみんなの党は大量立候補と意気込んでいたが、橋下徹「維新の会」共同代表の「慰安婦は必要」発言で大混乱だ。

  「維新の会」の都議候補は「批判や問い合わせがたくさんきている。街頭で年配の女性から『あの発言はひどすぎる』と涙ながらに訴えられた」と嘆いていた。みんなの党も参院選では政策協議凍結を打ち出したが、都議選はすでに共通公約も発表し、「一体ぶり」を売り物にしていただけに大打撃だ。

  ある政府関係者は「『第三極』への風は止まった。民主党は凋落(ちょうらく)が激しい。組織をもち、候補者を満遍なくたてる共産党に注目だ」と語っていた。「二大政党の政権選択」のもとでの前回の都議選とも、「第三極」が騒がれた昨年の総選挙とも様相がまるで違うという指摘だ。

  たしかに、日本共産党と自民党だけが42の全選挙区に候補者を擁立した。今回の都議選は、文字通りすべての選挙区で「自共対決」が軸になるね。

  ただ、それだけに各党とも議席を獲得しようと必死の選挙活動を展開している。駅頭での朝晩の宣伝場所争いも激しい。

変化に確信 選挙が楽しい

  前回との違いがもう一つある。都議会に議席をもつ共産党以外の民主、自民、公明、維新、みんな、生活者ネットの各党が都政与党の立場を鮮明にしていることだ。メディアも「共産党を除く主要政党の『オール与党化』」(東京新聞4月30日付)などと相次いで指摘している。

  石原慎太郎前知事の後継を標ぼうして就任した猪瀬直樹知事の新年度予算案に、「オール与党」はこぞって賛成した。反対したのは共産党だけだ。

  予算の組み替え案を提出し、対案を示したのも共産党だけだったね。

  共産党は、今回、現有8議席を絶対に守り、議案提出権をもつ11議席以上への躍進をめざしている。

  共産党の都議候補や選挙活動に取り組んでいる党員・後援会員からは「選挙運動が楽しい」「有権者の反応がとても良くなっている」「共産党の値打ちが話しやすくなっている」など情勢の変化に確信を深める声が共通に聞かれる。

  22日には、江東区の有明コロシアムで志位和夫委員長を迎えて東京演説会が開かれる。都議選・参院選勝利に向けた運動の跳躍台にしたいね。

国保料軽減に背向け、大型開発目白押し

猪瀬知事・オール与党に審判

  今回の東京都議選の争点は何?

  二つある。一つは言うまでもなく、石原前都政を継承した猪瀬都政と「オール与党」に対する審判だ。もう一つは安倍自公政権に対する審判だ。

  まずは、猪瀬都政と「オール与党」に対する審判という点から聞こうか。

  猪瀬都政の新年度予算は、安倍自公政権が“アベノミクス”の「機動的財政運営」と称して打ち出した不要不急の大型開発推進の政策に沿って、東京外環道などの高速道路建設や外国企業を誘致するための「アジアヘッドクォーター特区」推進など大型開発事業が目白押しだ。

  半面、都民から要望の強い国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療保険の保険料の軽減措置には背を向けた。都営住宅の新規建設も14年間連続ゼロだ。

  東京では若者の2人に1人が不安定な非正規雇用だ。雇用対策の充実が求められるのに、逆に対策予算を削減した。

  猪瀬知事が予算と一体で出した2015年度までの重点計画「アクションプログラム2013」も、都幹部が「石原色が95%だ」と評するもので、総事業費の3割を大型開発事業に充てるとしている。一方で、少子化対策はわずか2%、高齢者対策は3%という冷たさだ。

図

生活に不安

  昨年11月に公表された「都民生活に関する世論調査」で、今後1年間の暮らしむきが「苦しくなる」と答えた都民は約43%と、前年より3ポイント近く増えた。また、今後の生活で不安を感じているものとして「税金や保険料などの負担」をあげた都民は5ポイント近くも増えて約32%だった。(図)

  国保料は毎年のように上がり、消費税増税と社会保障制度の改悪が強行されようとしているなかで、都民の生活不安は高まっているわけか。そんななかで、“アベノミクス”の都政版ともいえる大手ゼネコン・大企業に手厚く、都民や中小企業には冷たい予算に、こぞって賛成したオール与党の責任は重大だ。

  都議会で、猪瀬都政と真正面から対決する政党は共産党だけという状況なんだね。

都民と運動

  共産党は、予算案に反対した。1メートル1億円もかかる外環道などの幹線道路建設費や過大な港湾施設整備などにメスを入れれば、福祉や暮らし、木造住宅密集地域や堤防の安全化などのための予算を大幅に増やすことができると提案した。

  共産党の値打ちは、反対するだけじゃない。都民と運動し、認可保育所や特別養護老人ホームの増設、少人数学級の実現・拡充、都立水元公園の放射能汚染土壌の除染実施など都政を動かしている。その行動力や誠実な姿勢には、いっしょに運動した保守系や無党派の人たちからも厚い信頼を得ている。

  いま、オール与党は、猪瀬都政への立場が同じなので違いを出せずにいる。都議選政策の発表会見で、民主党都連の幹部は、記者の質問に「いまのところ、今度の選挙で知事と対立している政策は見受けられない」と、しどろもどろになって答えていた。

  「共産党が躍進してこそ、予算の使い方を暮らし・福祉、営業第一に切り替える展望が開かれる」。この共産党の訴えが、都民に入りやすい状況になっていると言えるね。

消費税増税イヤ 橋下暴言許せない

安倍自公政権の暴走止める

  では、安倍自公政権への審判という面で、各党は何を主張しているのか。

  自民党は、安倍政権の経済政策“アベノミクス”の是非を問う選挙と位置づけてたたかうという。

悪政を推進

  共産党は「安倍自公政権の暴走に、東京からストップをかける審判を下そう」と呼びかけている。

  民主党や公明党、維新の会、みんなの党は、消費税増税や社会保障改悪などで自民党といっしょに悪政を進めている。

  国政にかかわる争点でも自共対決が鮮明だね。

  安倍政権の暴走という点では、憲法問題への都民の関心も高まっている。

  吉田信夫都議が杉並区内の宗教関係者を訪問したら、憲法と自民党改憲案を見比べて学習会をしたばかりだった。その人は「自民党改憲案がいかにひどいか分かった」と話したという。

幻想はがれ

  日本維新の会の橋下共同代表の「慰安婦」暴言に、都民の怒りも高まっている。「第三極」への幻想がはがれ怒りとなり、総選挙のときから一変しているね。

  確かにそうだ。江戸川区の河野ゆりえ予定候補は「憲法を守る江戸川区の代表」と訴えているが、最近、対話した都民から「橋下氏の発言は許せない。がんばって」「元自衛隊員だ。自衛隊は日本を守るもので、外国に戦争にいってはいけない」などの声が聞かれるようになったという。

  東京都委員会は、都議選告示日までに得票目標の2倍の支持拡大をやりきることなどを目標に選挙活動に取り組んでいる。選挙の担い手を広げながら、宣伝と対話・支持拡大、党勢拡大に力を入れている。

  若林義春都委員長は「自共対決の政党状況が鮮明になっている。22日の演説会を大成功させ、全有権者規模で共産党の値打ちを知ってもらい、やるべきことをやりぬけば、勝利への流れを切り開くことができる」と話していた。


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