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2013年5月19日(日)

枯れ葉剤被害

米で製薬会社提訴へ

ベトナム中部の住民ら

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 【ハノイ=面川誠】米軍がベトナム侵略戦争中に散布した枯れ葉剤に含まれていたダイオキシンによる被害者が、米製薬会社による被害賠償を求めて米国内で提訴する準備を進めています。ベトナム枯れ葉剤被害者の会(VAVA)のグエン・バン・リン会長が17日に明らかにしました。


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(写真)グエン・バン・リン会長(面川誠撮影)

 2004年にベトナム人被害者が枯れ葉剤を製造した米製薬会社を提訴した訴訟では、米連邦最高裁が09年に枯れ葉剤と発がんや生殖障害との関連性を認めず、補償は実現しませんでした。

 しかしオレゴン健康科学大学のガルゾット教授らの研究チームは最近、ベトナム侵略戦争中に枯れ葉剤を浴びた米退役軍人らの調査結果を発表し、前立腺がんの発病率が通常の1・5倍に達することなどを明らかにしました。

 リン会長は「この研究結果は重要だ。改めて提訴するつもりだ。もう一度『外国人不法行為請求権法』を根拠に提訴できるか、これ以外にも活用できる法律があるか、米国の弁護士と相談中だ。できるだけ早く提訴したい」と語りました。米国だけでなくフランスなどの弁護士の支援も求めているといいます。

 「外国人不法行為請求権法」は、米国の会社が外国で違法行為を行った場合、外国人が米国内の法廷に提訴できるとする法律。原告団は、中部ダナンなど枯れ葉剤が貯蔵されていた地域の被害者で構成する予定です。

 米軍はベトナム侵略戦争中、南ベトナム解放民族戦線の食料源を断つことなどを目的に1961年から71年まで大量の枯れ葉剤を散布。最も多用された「エージェント・オレンジ」に含まれた猛毒ダイオキシンの影響で、枯れ葉剤を浴びた本人の健康被害のほか、第2、第3世代の先天異常が発生しました。ベトナム政府によると被害者総計は約300万人です。


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