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2013年5月10日(金)

第7回中央委員会総会

志位委員長の結語

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 8日開かれた日本共産党の第7回中央委員会総会で、志位和夫委員長がおこなった討論の結語は次のとおりです。


 みなさん、お疲れさまでした。私は、幹部会を代表して討論の結語をおこないます。

 中央委員会総会では、17人の同志が発言をしました。全国では、リアルタイムで7374人の同志が視聴し、420通の感想文が寄せられています。発言も、感想も、全体として幹部会報告を歓迎し、必勝の決意にあふれる内容となっています。

5人の比例候補の全員当選に、全国の党組織も共同で責任を負う

 結語の冒頭に、参議院選挙にのぞむ構えをあらためてのべておきたいと思います。私たちは、参議院選挙で、比例代表については、650万以上の得票を得て、5人の議席の絶対確保ということを目標としてたたかっています。これは、全国どの党組織も、5人の当選に共同で責任を負うという立場を堅持して、がんばりぬくということであります。

 長野の今井県委員長が、5人の比例候補について、それぞれの候補者としての素晴らしさを一言ずつ紹介して、どの一人も落としてはいけない、全員当選させるのが長野県の使命なのだということを強調していると発言しましたが、この姿勢が大切であります。

 5人の比例予定候補は、どの候補も絶対に落とすわけにいかない、国政にとって必要な、絶対不可欠な候補者であります。この5人の当選に、全国すべての党組織、党支部が、共同して責任を負って、がんばりぬく決意を、あらためて固めあいたいと思います。

問われているのは、日本経済に責任を負うのか、責任の放棄か

写真

(写真)結語を述べる志位和夫委員長=8日、党本部

 そのうえで、3点ほど、のべておきたいと思います。

 第一は、幹部会報告では、安倍政権について「暴走と破たん」ということを解明しました。経済、原発、外交、憲法、歴史問題――五つの角度から解明しましたが、討論でも全国からの感想でも、この解明について、「元気が出た」という声がたくさん寄せられました。

 私たちが、参院選のたたかいにのぞむにあたって、相手の政治的矛盾・弱点を正面から突き、相手をのんで攻めに攻めるという、攻勢的な構えを最後まで貫くということが、政治論戦で一番大事なことだと思います。その点では、一番の要の政治的なポイントがしっかり受け止められて、「元気が出た」、「よしやるぞ」という気持ちがみなぎったということは、たいへんに大事だと思います。

 なぜ、安倍政権が、暴走するはなから破たんが起こるのか。幹部会報告では、「土台が腐りきっているから」だとのべました。

 幹部会報告では、大企業・財界が多国籍企業化して、もはや日本経済への責任を放棄している状態がうまれている、自分の目先の利益さえあがればいい、日本経済がどうなろうが、日本国民の生活がどうなろうが、あとは野となれ山となれという態度になっている。日本経済を代表する能力も資格も失っているのが、今日の財界・大企業の姿だということをのべました。

 そうしましたら、きょう(8日)、「朝日」の「オピニオン」欄に、ある関西の大学の名誉教授の寄稿が掲載されているのですが、それがたいへん興味深いものなのです。「『企業利益は国の利益』 国民に犠牲を迫る詭弁(きべん) 政権与党が後押し」、「国民国家の末期を官僚もメディアもうれしげに見ている」――こういう痛烈な見出しがついているものですが、こういうことがのべられています。

 「起業したのは日本国内で、創業者は日本人であるが、すでにそれはずいぶん昔の話で、株主も経営者も従業員も今では多国籍であり、生産拠点も国内には限定されない『無国籍企業』」になっている。そういうグローバルな展開をするのは企業の自由かもしれないが、「だが、企業のグローバル化を国民国家の政府が国民を犠牲にしてまで支援するというのは筋目が違うだろう」。「ことあるごとに『日本から出て行く』と脅しをかけて、そのつど政府から便益を引き出す企業を『日本の企業』と呼ぶことに私はつよい抵抗を感じる。彼らにとって国民国家は、『食い尽くすまで』は使いでのある資源である」。「コストの外部化を国民国家に押しつけるときに、『日本の企業』だからという理由で合理化するのはやめて欲しいと思う」

 私は、これは、正論だと思います。多国籍企業化し、「無国籍企業化」して、自分たちの利益だけをむさぼって、好き勝手なことをやっているにもかかわらず、「日本の企業だから便益をはかってほしい」というのは、あまりにもむしがいいのではないかという痛烈な批判であります。

 この問題で問われているのは、もちろん異常な大企業中心主義の政治を打破するということなのですが、もっと深く言えば、日本国民と日本経済に責任を負う立場なのか、それとも支配勢力なりの責任すら放棄してしまうという立場なのか、というところまで問題は深いところで問われている。それが、いまの政治対決の本質なのだということを、強調したいと思います。

亡国の政治か、国民の安全・日本の未来に責任を負う政治か

 「アメリカいいなりの政治」でも同じことが言えるのです。

 TPPの問題にせよ、沖縄の基地問題にせよ、いま安倍政権がやっていることは、まさに日本を売り渡そうというものです。しかも、売り渡しているのに、そのことに痛痒(つうよう)を感じていません。

 ここでも問われているのは、亡国の政治なのか、それとも国民の安全・日本の未来に責任を負う政治なのかという問題です。そのことが、本当に深刻に問われているのが、TPP問題であり、沖縄の基地問題だと思うのです。

憲法問題、歴史問題ー支配勢力の政治的退廃にたいして

 支配勢力の側の政治的退廃は、ほかにもいろいろな形で表れています。

 憲法問題について、安倍政権などは、“憲法96条の改定だったらハードルが低いだろう”という、ただそれだけの、あまりにも安易で、浅はかなやり方で、邪道に走ったわけです。ここには、憲法とはそもそもなんなのか、立憲主義とはなんなのか、こういう根本問題についての真剣な吟味も検討もありません。そのほうが、党略的に都合がいいだろうというだけのよこしまな動機で、ことを始めたのです。

 しかし、始めてみたら、思いがけない大きな抵抗にぶつかって、破たんが生まれているというのが、現状であります。ここには、反動勢力なりの気概もなければ、確信もなければ、誇りもありません。それが、気概と確信を持っている9条改憲派からも、きびしく批判されるという構図になっているわけです。ここにも、いまの安倍政権の政治的退廃の深さということが、表れているのであります。

 歴史問題についても、同じことが言えると思います。今起こっている歴史逆行の動きは、もともと「靖国」派内閣がもっていた性根が、表れているわけでありますが、同時に、日本の前途に責任を負わない勢力が、行き詰まりの反動的打開を排外的なナショナリズムに求めようとしている。これはたいへん危険であり、また最もやってはならない道であります。そういう排外的ナショナリズムというのは、彼らのごくごく狭い身内では通用するかもしれないし、そこでは喝采を浴びるかもしれませんが、およそアジアでは通用しないし、世界では通用しないし、日本国民にも通用しない、責任のない道なのだということを、私は、強く言っておきたいと思います。

 こうして、ありとあらゆる問題の根本に、古い自民党政治の「土台が腐りきっている」という問題があります。そういうなかでの政治対決において、日本共産党は、すべての問題について、国民の立場にたって、責任ある立場を堂々と語り、その立場で政治を動かしています。これは、日本に本当に責任を負うものと、その責任を放棄してしまったものとのたたかいなのだということを、強調したいと思います。

ウソとゴマカシがはがれおちるならば、政治のよりいっそう大きな激動は避けられない

 幹部会報告では、安倍政権について、「ウソとゴマカシがはがれおちるならば、政治のよりいっそう大きな激動は避けられない」とのべました。

 2006年1月に行われた第24回党大会の決議では、当時、小泉内閣が郵政問題一本に争点を絞って自らの失政を覆い隠すという、国民をあざむく方法で、衆院選で多数の議席を獲得した、その直後に、「それは自民党政治の一時の延命になっても、この政治のもつ異常な特質と国民との矛盾、世界の流れとの矛盾を解決するものではない。うそとごまかしが明らかになれば、政治の大きな激動はさけられない」とズバリ書きました。幹部会報告は、この一文を思い起こして書いたものなのですが、「政治のよりいっそう大きな激動」と書きました。

 小泉政権の後に起こったことは、自民党の野党への転落と民主党政権の誕生でした。ところが、それは古い自民党政治の枠内の「激動」にとどまり、自民党政権の復活となったわけであります。しかし、今日の支配勢力の「土台が腐りきっている」という状態を考えると、安倍政権の「ウソとゴマカシ」が本格的にはがれおちるならば、小泉政権の後に起こった「激動」をはるかにこえる、政治のよりいっそうの大きな激動は避けられないと、私たちは言っていいと思います。今度の参議院選挙で、そういう政治の大激動への一歩を踏み出すような結果を出そうではないかということを訴えるものであります。

二つの反共作戦とのたたかいをへて、“自共対決”のたたかいへ

 第二に、幹部会報告では、今日の政党状況を分析して、日本共産党の国民的役割を訴えました。そして、“自共対決”こそ、参議院選挙の真の対決軸だということを明らかにしました。この提起に対して、討論でも、感想でも、「その通りだ」、「胸が躍る気持ちがする」など、“自共対決”という言葉に、燃えるものを感じる方が非常に多いようです。これは歴史を振り返ってみますと、重要な歴史があるのです。

 1990年代後半に、新進党が解体し、そのうえに、まさに“自共対決”という構図が浮かび上がってきました。あのときは、文字通り“自共対決”でテレビの討論もやられる。国会論戦の様相も“自共対決”そのものになる。“自共対決”ということが、国民のなかで普通に言われる状況の中で、わが党は連続的な躍進を遂げていきました。

 そのあと、支配勢力の側が反共大作戦を始めます。まず2000年の総選挙で、反共謀略ビラを大量にまいて、わが党の躍進を阻止する。そのうえで、この間、二つの日本共産党排除の作戦を、彼らは発動してきたわけです。

 第一の作戦は、「二大政党の政権選択」という日本共産党排除の作戦でした。これは2003年から本格的に始まって、私たちは10年近くこれに苦しめられ、この反共作戦に抗して陣地を守ってきました。しかし、10年たって、この作戦がすっかり破たんしたというのは、いまや誰の目にも明らかです。この結果というのは、せっかく財界が手塩にかけて作った民主党という党が、国民からすっかり愛想を尽かされるという結果をもたらしているというのが「二大政党の政権選択」なるものの現状であります。

 支配勢力が、第二の日本共産党排除の作戦として始めたのは、「第三極」作戦です。「二大政党」に代わって、「第三極」が今度は政治の主役なんだという持ち上げを始めた。これはこの1〜2年の動きです。ところが、こちらのほうはにわか仕立てということもあって、わずか1〜2年で破たんが見えてきています。きょうの新聞で、維新の会共同代表の石原慎太郎氏が、「維新は賞味期限を迎えつつある」と述べたと、報道されています。本人がそう言わざるを得ないような、国民の厳しい批判が、ここにも向けられてきているという状況があると思います。

 こうして、「二大政党の政権選択」作戦と「第三極」作戦という、二つの日本共産党排除作戦を経て、いま再び“自共対決”が浮かび上がりつつあるというのが今日の情勢であります。これは、二つの反共作戦という経験をへているだけに、さらに真実性、現実性を強めているというのがいまの状況であります。

 討論でも出されましたが、私が、大阪の演説会で、“自共対決の時代だ”と訴えたところ、NHKのニュースがズバリそれをとって放映したという発言がありました。その発言をとるというのは、一般のメディアから見ても、“自共対決”という言葉が、決して独りよがりのものでなくて、今の状況を表していると感じたから、そこをうつしたのだと思います。いま、そういう状況をつくりだしつつあるのです。そこに大いに自信を持って、“自共対決”のたたかいに挑んでいこうではありませんか。

反共作戦が破たんする根本に、古い政治の行き詰まりが

 なぜ、支配勢力による反共作戦が次々と破たんしていくのか。その原因を考えてみますと、「土台が腐りきっている」という問題があるわけですね。古い自民党政治の「土台が腐りきっている」ために、その狭い枠組みの中では、とりうる政治的選択肢はほとんどないのです。ですから、どんな仕掛けをつくろうとも、結局、古い政治の枠組みの中にいるかぎり事態は変わらない、ますます悪化するということになる。ここに支配勢力による反共作戦が次々と破たんしていく根本があるわけです。

 ただ一つ、ここで言っておきたいことがあります。今回の参院選で“自共対決”の構図をうきぼりにし、私たちはそれを前面に押し出してたたかいます。しかし、巨大メディアによる争点隠し、反共シフトは、古い体制がどんなにヨレヨレになっても、やっぱりそれを持ち上げるものだということです。日本共産党の持ち上げだけはやらないのです。ですからそこは絶対に甘く見ないで、どういう情勢になろうと綱領的確信を持って、この選挙を不屈にたたかい抜くという覚悟が大切であります。

 同時に、奮闘いかんでは、わが党は前進できる客観的条件をこの10年余のたたかいでつくってきたということに自信を持って、今度の選挙を意気高くたたかい、“自共対決”の選挙を勝ち抜こうではないかと訴えたいと思います。

「支部・グループへのよびかけ」と一体に「指導的同志へのよびかけ」の実践を

 第三は、選挙戦の活動方針にかかわる問題です。

 幹部会報告では、支部・グループのみなさんに対して、6中総決定が提起した「六つの活動」をやりきりながら、とりわけ二つの課題――たいへん力のいる課題で、これまで挑戦したがやれなかった課題を、今度こそやりきって必ず勝とうという提起をいたしました。公示日までに「支持拡大目標」を突破すること、すべての支部が新しい党員を迎え、「しんぶん赤旗」読者拡大でも毎月前進の波をつくって選挙戦をたたかうこと――この二つの課題をやりきろうという提起をいたしました。

 この提起は、討論でも、きわめて高い決意で受け止めていただけたと思います。全国の感想でも、「よしやるぞ」という感想がたくさん寄せられていることを、みなさんにご報告しておきたいと思います。必ずこの新しい組織戦略を成功させたいと思いますし、討論のなかでは「魂を入れてやるかどうかだ」という言葉も出ましたが、ほんとうに魂を入れてこの課題をやりきりたいと思います。

 同時に、全国からの感想でたいへん印象的だったのは、幹部会報告のなかで、「指導的同志のみなさんへのよびかけ」をおこなったことに、たくさんの歓迎の声が寄せられていることです。党機関をはじめとする指導的同志のみなさんが、本音をぶつけた政治討論をやって自らの確信を伝えよう。自ら政治活動にどんどん取り組んで国民のなかの変化を伝えよう。新しい組織活動を実践して「やればできる」ということを伝えよう。なによりも支部会議を「楽しく元気の出るもの」にしよう。そういう訴えをおこなったわけですが、それへの歓迎の声が非常に多いのです。

 幹部会報告では、「支部・グループのみなさんへのよびかけ」と「指導的同志のみなさんへのよびかけ」をセットで出しています。一体のものとして出しているところが大事な点であります。

 「支部・グループのみなさんへのよびかけ」についていえば、幹部会報告を聞いて、ただちに足を踏み出してどんどん働きかけをすすめる支部もあるでしょう。しかし、まだそこまでいかない支部もあります。困難を抱えている支部もあります。そういう支部も含めてすべての支部と党員の心に灯をともして、ともに立ちあがる状況をつくろうと思ったら、指導的同志の果たす役割は決定的になってくるわけです。指導的同志がどれだけ燃えに燃えて、全党決起に取り組むことができるかどうかに、選挙戦の帰趨(きすう)が最終的にはかかってくるわけです。

 そして、支部の側からもそのことへの期待が感想文を見ますとたいへん多いわけです。支部からの声を見ますと、「ぜひそういう援助をしてほしい」「イニシアチブを発揮してほしい」。期待が大きいわけですから、その期待に応えて責任を果たそうではありませんか。

都議選を「マイ名簿」で位置づけて、全国の支援を集中しよう

 討論のなかでは、まずたたかわれる東京都議会議員選挙を全党のたたかいとして支援を集中することへの決意がたくさん語られました。

 討論のなかでも、文書発言でもありましたので、一つ具体的提起をいたします。都議選の告示日までに、全国のすべての同志が「マイ名簿」に位置づけて、東京在住の知人に支持の依頼や候補者の紹介を必ずやろうということを訴えたいのであります。

 首都東京には、ほとんどの同志が、知人・友人を持っていると思います。全党の力を結集するならば、これはたいへんな力になります。これをまず東京都議選でやりぬこう。最初のたたかいで勝てるかどうかが参議院選挙に大きく影響するわけですから、そして東京の今後にとっても決定的な意義を持つ選挙となっているわけですから、まずこの東京の都議選で勝つことを、すべての党員が「マイ名簿」で位置づけて、支援を集中しようではないかということを、心から呼びかけるものです。

7中総決定を一刻をあらそって全党員のものに

 最後に、採択されるであろう7中総決定の徹底の問題について、のべておきたいと思います。一刻を争って、7中総決定を全党のものにする努力をぜひお願いしたい。6中総決定との関係は、6中総決定は7中総決定の土台になります。7中総決定を深めていくうえで、指導的同志のみなさんが大いに、「6中総決定の真髄はこうだ」ということを語っていくことを重視していただきたいと思うのですが、中央に報告を求めるのは7中総決定一本にしていくことにします。

 短い決定ですし、これをほんとうに、どれだけのスピードで全党のものにできるかどうかが、選挙の勝敗にストレートに影響しますので、ぜひこの点で、中央役員のみなさんが先頭に立って奮闘することを最後に訴え、私自身も先頭に立ってがんばりぬく決意を申し上げて、結語といたします。勝利のためにともにがんばりましょう。


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