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2013年5月9日(木)

初の南米出身トップ

WTO次期事務局長にアゼベド氏

新興国の比重を反映

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 ジュネーブからの報道によると、世界貿易機関(WTO)加盟159カ国・地域は7日、次期事務局長にブラジルのロベルト・アゼベドWTO大使を選出しました。WTOのトップに南米出身者が選出されるのは初めて。アゼベド氏は14日の一般理事会で正式に承認され、9月1日付で就任の予定です。(西村央)


 8月に任期を終えるパスカル・ラミー氏(仏)の後任をめぐる今回の事務局長選挙では、9人が立候補し、アゼベド氏とメキシコのエルミニオ・ブランコ元商工振興相の中南米出身者2人が最終となる第3回選考に残っていました。

 WTOの歴代事務局長は、タイのスパチャイ氏(2002〜05年)を除くと、欧州、ニュージーランドの出身者で占めてきました。今回、アゼベド氏は、貿易拡大を途上国の成長に結びつけるという点を訴え、南米やアフリカ諸国などから支持を集めました。

 ブラジルのルセフ大統領は、アゼベド氏が選出されたことについて、「これはブラジルや南米諸国にとっての勝利だけではなく、WTO全体にとっても勝利だ」との声明を発表しました。世界経済や貿易のなかで、ブラジル、中国、インドなど新興国が占める比重は、増加傾向にあり、国際機関でもその役割への期待が増しています。

 現在、新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)は難航しています。アゼベド氏は、主要国が指導しがちだった交渉の在り方を再考する意向を示し、新興国が果たす役割を重視する考えです。WTOはこの12月、インドネシアのバリで、最高議決機関である閣僚会議(2年に1回開催)を開きますが、その動向が注目されます。


 世界貿易機関(WTO) 関税その他の貿易障壁をなくし、世界的規模で貿易自由化を進める目的を持った国際機関です。1995年に設立。各国の工業製品や農産物の関税引き下げなど、新たな貿易「自由化」の枠組みをつくるため、2001年から開始したドーハ・ラウンドを主催しています。


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