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2013年5月6日(月)

シリアを連続空爆

イスラエル「武器移送阻止」

一斉に報道

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 【カイロ=小泉大介】シリア国営通信は5日、首都ダマスカス近郊の軍関連施設をイスラエル軍が同日未明に爆撃したと報じました。これに先立つ4日にも、外国メディアがイスラエル軍によるシリア空爆をいっせいに伝えました。同軍がシリア内戦への武力介入を一気に強めている可能性が出てきており、情勢は緊迫の度合いを強めています。


政府軍は大量虐殺

地図

 ロイター通信が4日、イスラエル政府高官の証言などをもとに伝えたところによると、イスラエル軍は隣国レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラへのミサイル移送を阻止する目的で、2日から3日にかけて空爆を行いました。イスラエル紙ハーレツ(電子版)はシリアの反体制派組織の話として、空爆されたのはダマスカス国際空港近くだと報じました。

 イスラエル政府や軍は一連の爆撃を認めるコメントを出していません。しかし同政府はこの間、シリアから化学兵器を含む高性能兵器がヒズボラなどに移転されることを防ぐためなら、軍事行使も辞さない立場を表明。実際に今年1月30日にもダマスカス近郊の軍施設を空爆し、シリア国営テレビが被害の状況を伝えていました。

 今回の事態をめぐりレバノン軍は、イスラエルの戦闘機が2日から3日にかけて領空侵犯を繰り返したと主張し、レバノンのマンスール外相は「(イスラエルによる)攻撃はさらなる緊張と破壊的な状況を地域にもたらすことになる」と非難しました。

 一方、英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は4日、シリア北西部の町バニアス近郊を政府軍や親政府民兵が襲撃し、子ども14人を含む62人を殺害したと発表しました。別の人権団体は死者は100人を超えるとしています。政府軍が攻撃を継続するのではないかとの恐怖心から、数千人の住民が同地から避難したもようです。

 シリア内戦では、イスラム教アラウィ派(人口の約1割)を基盤とするアサド政権と軍が、同教スンニ派住民を弾圧・攻撃し、これにスンニ派武装勢力が「反撃」する構図が鮮明となっています。反体制派統一組織「シリア国民連合」はバニアスの事態について、「各地で相次ぐ大量虐殺は『民族浄化』に他ならない」と激しく批判しました。


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