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2013年5月3日(金)

パレスチナ・イスラエル「土地交換」

アラブ連盟が容認

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 【カイロ=小泉大介】アラブ連盟(パレスチナを含む22カ国が加盟)がこのほど、パレスチナとイスラエルとの間の「土地交換」を容認する姿勢を表明しました。パレスチナ独立国家樹立に向けたこの「新方針」が和平交渉再開に向けて影響を与えるのか否かに関心が集まっています。

 アラブ連盟の「新方針」は、ハマド・カタール首相が4月29日に訪問先の米国で明らかにしたもの。連盟が2002年の首脳会議で採択した方針では、イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領した土地から全面撤退することを条件に、同国と関係正常化をはかるとしていました。しかし今回、占領地におけるユダヤ人入植地の存在を考慮し、その一部をイスラエルの土地と交換することを認める考えを示したのです。

 これを受け、パレスチナ自治政府のアリカット交渉責任者は30日の声明で、「連盟の提案は、パレスチナの公式の立場だ。イスラエルが1967年の境界に基づく2国家共存を明確に認めるなら、パレスチナは双方の合意による若干の国境変更を考慮に入れる」と表明。自治政府としては「土地交換」が既定路線となっていることを強調しました。

 一方、イスラエルの交渉責任者であるリブニ法相は30日の軍放送で、「新方針」について「非常に積極的なものだ」と評価。「これはパレスチナ側が交渉の部屋に入り必要な妥協を行うことを可能にするものである」と述べました。

 パレスチナとイスラエルとの和平交渉は、2010年秋から中断したままですが、その最大の理由はイスラエル側がユダヤ人入植地を建設し続けていることにあります。今回、パレスチナ自治政府に加えてアラブ連盟も「譲歩」の姿勢を示したことを受け、入植地問題を中心としたイスラエル側の出方が厳しく問われることになります。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は30日、滞在先のウィーンで会見し、「われわれには交渉再開の用意がある。米国のオバマ大統領には交渉のテーブルにつくための条件を伝えてある」と表明しました。


 土地交換 1967年の第3次中東戦争直前の境界線を基準に、パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸に存在する違法なユダヤ人入植地の一部をイスラエル領とする代わりに、相応の土地をイスラエル領からパレスチナ側へ編入することによって国境を画定しようという案。イスラエルがパレスチナの主権と2国家併存を認めることが前提となります。


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