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2013年3月21日(木)

ハンガリー 憲法はおもちゃじやない 連日抗議

反民主的改憲 3年で4回目

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 中欧ハンガリーで、議会の圧倒的多数を握る保守系与党が強権的に進める憲法改定に対し、国民が反発を強めています。司法権の弱体化や国民の自由の制限につながる改憲内容に、国際社会からも「民主主義に反する」との非難や懸念の声が相次いでいます。(島崎桂)


 2010年4月の総選挙で圧勝したオルバン首相率いる与党フィデス・ハンガリー市民連盟は、連立するキリスト教民主国民党と合わせて議会3分の2をこえる議席を掌握。12年1月の新憲法「ハンガリー基本法」制定を皮切りに、今月11日には、政権発足からわずか3年で4回目となる改憲法案を採択しました。

 今回の改憲により、人権などの分野で蓄積された過去の判例は効力を失い、憲法裁判所は議会に提出された法案の内容について合憲性を審査する権限を喪失。大統領権限を縮小する一方、首相権限は増強されます。また、国の奨学金を受けた学生が一定期間国内で就業することを義務化するなど、国民生活の自由を制限しています。

 政府与党の強引な政権運営に対し、国内では抗議行動が続いています。首都ブダペストでは連日、数千人の市民が抗議デモを実施。「憲法はおもちゃじゃない」「祖国とは、自分たちが権利を持つ場所だ」などと書かれたプラカードを手に、オルバン首相を「独裁者」と糾弾しました。

 欧州連合(EU)やEU諸国、多くの人権団体からも改憲に対する懸念の声があがっています。

 欧州委員会のバローゾ委員長は、改憲法案の採択直後の声明で「(同法案が)法の支配やEU法、欧州理事会が定める基準に抵触する懸念を引き起こしている」と指摘。ドイツのウェスターウェレ外相は「ハンガリーを含むEU諸国は、価値観を共有する共同体に属していることを理解するべきだ」と述べました。米国務省や国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも声明を発表し、改憲内容を非難しました。

 オルバン首相は14日、ベルギーのブリュッセルで開かれた欧州首脳会議に先立ち、記者団に対し「われわれの行動が民主主義に反するとする証拠や事実を、何か一つでも示すことができるか」と強弁。国民や国際社会の声を一蹴しました。


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