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2013年3月18日(月)

右傾化突出の自民大会

消えた「包括政党」色 元幹事長2氏の憂い

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 17日に開かれた自民党大会を前に2人の自民党幹事長経験者の話を聞きました。

 ○…安倍晋三首相が15日にTPP(環太平洋連携協定)交渉参加を正式発表する直前に、国会内で出くわした加藤紘一元幹事長は「政治の先行きがどうなるか。わけがわからなくなりました」。わずか3カ月前の総選挙公約をひるがえす方向転換に、こうつぶやいていました。国民有権者からのしっぺがえしを恐れる思いがにじんでいました。

 ○…同じく幹事長経験がある野中広務元官房長官は16日の午後、長崎市の原爆資料館で「今、日本を憂う」の演題で1時間40分、熱弁をふるいました。憲法96条の憲法改正要件を緩め、さらに自衛隊を国防軍にすることを狙う安倍改憲構想や米軍機オスプレイが四国上空を飛行している現状に触れました。

 「いまの日本のあり方が私には本当に恐ろしい。マスコミもこの動きに追従しているのではないか、その裏側にアメリカの大きな力が働いているのではないか。日本は、またアメリカの占領地になってしまったのかと錯覚するようなことが現に起きている」と安倍政権に手厳しい言葉を重ねました。

 そして、「戦争はやりません、憲法は変えません。その思いを新たにするきょうであってほしい」と締めくくりました。

 ○…かつて党内に右翼から自由主義的社会民主主義者まで幅広く存在したという意味で「包括政党」と呼ばれたこともある自民党ですが、その姿はいまや消えました。

 自民党総裁経験者でもある河野洋平元衆院議長は最近の新聞インタビューで、安倍作戦は「猫かぶり」だと、そのずる賢さを指摘しつつ、「今の憲法によって不自由な生活を強いられている人はいません」とのべ、改憲前のめりの安倍路線をけん制しています。

 ○…しかし――。党大会で安倍首相は、先の元幹事長2人の思いとは正反対の改憲タカ派路線で7月参院選勝利をとこぶしを上げました。保守良識の声が届かなくなった安倍自民党です。


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