2013年3月11日(月)
原発ノン 人間の鎖
パリ2万人
フランス
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【パリ=浅田信幸】福島第1原発事故2年を前にパリで9日、「フクシマを二度と起こすな」をスローガンに「人間の鎖」をつなぐ行動が取り組まれ、主催者発表で2万人が参加しました。
参加者たちは、パリ市内東部の財務省から西部のデファンス地区まで、市内18地点に集合し、それぞれ近辺にある原発推進関連の機関(上下両院など)や企業(仏電力公社や仏原子力大手アレバなど)を包囲する行動を繰り広げました。在留邦人の反原発グループ「よそものネット」の人たちもオペラ座を拠点にこれに加わりました。
この日の行動は、反核ネットワーク「核からの脱却」が呼びかけたもの。「政策決定者に怒りのメッセージを伝える」ことが目的です。ネットワークのスポークスマン、デュフロ氏は行動に先立って「民生用であれ、軍事であれ核を終わらせること、特に30年を超えた原発の停止を要求する」と述べました。
フランスは電力の75%以上を原発に依存しており、現在ある58基の原発のうち20基近くが稼働30年を超えています。
パリ市庁舎前からの行動に参加した元公務員のフランソワーズさん(58)は「オランド大統領は電力の原発依存を下げると公約しましたが、何も変わっていません。フクシマ後もフランス人の多くは受け身で原発を容認しているのが悲しい。でも、だからこそ行動しなければいけないのです」と語っていました。
即時閉鎖を求め3万人
ドイツ
すべての原発を2022年までに稼働停止にすると決めたドイツの原発や関連施設4カ所で9日、「福島の教訓を生かせ」「原発はわれわれの故郷に危険だ。即時閉鎖せよ」と求めるデモが実施され、計3万人が参加しました。
デモを組織した団体の一つ、独環境自然保護連盟(BUND)によると、北部ニーダーザクセン州のグローンデ原発で約2万人、北西部のウラン濃縮施設のあるグローナウで約1200人、南部のバイエルン州のグンドレミンゲン原発で3500人、バーデン・ビュルテンベルク州ネッカーウェストハイム原発で3000人が参加しました。
ドイツ公共第1テレビ(ARD)によると、グローンデ原発周辺で4日から、「あなたの家の目の前で原発事故が起こったらと想像して」と呼びかけるキャンペーンを実施し、放射能事故からの実際の避難の大変さを訴えました。(片岡正明)