「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年3月7日(木)

福井中3殺害 再審取り消し

新証拠認めず 前川さん特別抗告へ

名古屋高裁

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)再審決定の取り消しに抗議し会見する前川さん(中央)と弁護団=6日、名古屋市中区

 1986年に福井市で起きた中学3年の女子生徒殺人事件で、名古屋高裁(志田洋裁判長)は6日、殺人罪で服役した前川彰司さん(47)の再審開始決定に対する検察側の異議申し立てを認め、再審請求を取り消す決定を出しました。前川さんと弁護団は、最高裁へ特別抗告する考えです。

 決定は、再審開始決定で認められた「新証拠」(凶器と一致しない傷口がある、前川さんの車から血液反応が出ていない、など)は「旧証拠の証明力をなんら減殺するものでなく」「(検察側証人の)供述の信用性を減殺するものでもない」として「再審請求はいずれも理由がない」と棄却しました。

 会見で前川さんは「私は無関係です。やっていません」と改めて強調。

 弁護団の吉村悟事務局長は「(検察側証人の)供述が二転三転しているのに『合理的』という。新証拠に対しても具体的判断をしていない。裁判所のチェック機能が失われているに等しい」と厳しく批判しました。

 前川さんが逮捕されたのは、当時別件で勾留されていた暴力団員らの目撃供述からでした。前川さんは一貫して無罪を主張。弁護団は暴力団員の供述が変遷することから、自らの減刑を得るという不純な動機で警察に迎合したもの、と指摘しました。一審の福井地裁は「証言は信用できず、犯行を裏付ける物的証拠もない」と無罪にしました。しかし95年の名古屋高裁金沢支部は「証言は信用できる」と懲役7年を言い渡し、97年の最高裁で確定しました。

 服役後の04年、前川さんは新証拠を持って金沢支部に再審を請求。7年の審理を経た11年11月、支部は「判決に合理的な疑いが生じた」と認め、再審開始を決定しました。検察側は不服として異議を申し立てました。


 福井女子中学生殺人事件 1986年3月、福井市の女子中学生=当時(15)=が自宅で顔など数十カ所を刺され殺害されたもの。指紋などの直接証拠はありませんでした。前川さんは事件当日、家族と食事していたと証言しています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって