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2013年2月15日(金)

賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう

志位委員長が記者会見

共産党が「働くみなさんへのアピール」

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 日本共産党の志位和夫委員長は14日、国会内で記者会見し、「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」と題した党の“賃上げ・雇用アピール”を発表しました。山下芳生(よしき)書記局長代行が同席しました。

 (全 文)


写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長(左)と山下芳生書記局長代行=14日、国会内

 志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。

 賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。

 企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。

 志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。

 そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。

 志位氏は、「このアピールをもって労働者、労働組合、経済団体に働きかけていきたい。もちろん政府にも提起していきたい」と述べました。「消費税や社会保障では立場の異なる人々もふくめて、賃上げの“一点共闘”を広げようという思いでつくりました」と紹介しました。

 衆院予算委員会での笠井亮議員の質問に対し、麻生太郎財務相が「内部留保をためこんでいるマインドが一番問題」と応じたことも紹介し、「そこまで認識が一致するなら、内部留保の活用でデフレ不況から脱却することを、経済界に対して本腰を入れて要請すべきです」と強調しました。

図

「働くみなさんへのアピール」

 試算方法

 (1)大企業グループの連結決算から2011年度末の連結内部留保を計算(内部留保=資本剰余金+利益剰余金+負債性引当金として計算)。

 (2)各企業グループの国内従業員数を推計し、内部留保の1%の取り崩しで可能な賃上げ額を試算(賃上げ額は最大で“月1万円”)

※国内従業員数は、有価証券報告書記載の従業員数から海外従業員を除いて推計。海外従業員数未公表の企業は国内従業員数が過大に推計されている可能性がある。

 試算対象

 連結内部留保500億円以上の企業グループ741

 企業グループ全体の正規従業員1181万人+同臨時従業員260万人(正規換算)=1441万人A

 海外従業員(推計)331万人B

 A―B=国内従業員1110万人


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