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2013年2月7日(木)

争議中の期間社員に「寮出ろ」

いすゞが提訴

労使協定に反する 組合が批判

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 いすゞ自動車の「非正規切り」争議で、雇い止めを無効と主張して同社の寮に住む原告3人が、寮の明け渡しなどを求める裁判を東京地裁に起こされています。第1回口頭弁論は3月7日で、組合側は「争議中にもかかわらず、住居まで奪うことは許されない」と抗議しています。


 寮の明け渡しを求められているのは、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)いすゞ自動車支部の男性(31)ら直接雇用された期間社員の3人。2008年末の契約途中での解雇は撤回させましたが、40%の賃金カットで「休業」とされ、09年4月に期間満了で雇い止めされました。

 同社では非正規雇用の約1400人全員が雇用を切られました。原告10人のうち、派遣社員だった人はすでに派遣会社の寮を追い出されました。

 雇い止めなどを争点にした裁判は現在、東京高裁で係争中。12年4月の東京地裁判決は、賃金カットのみを違法と認めました。

 寮の問題では、男性の場合、同社の要請で別の寮に転居した09年7月、「従業員の地位を有するか否かに関する司法判断に基づき、協議する」との労使協定を結んでいます。組合側は、この労使協定にも反する対応だと批判しています。

 同社は、無料だった家賃などについても、雇い止め以降分を請求しています。

 男性は「労働者をモノ扱いにするいすゞの姿勢は変わっていません。本裁判も正念場です。頑張りたい」と話しています。

社長証人採用へ署名運動

「非正規切り」解決求め集会

 いすゞ自動車の「非正規切り」争議の解決に向けて、決起集会が5日夜、藤沢工場がある神奈川県藤沢市で開かれました。地元の湘南労連などが主催。細井行社長の東京高裁での証人採用を求め、次回3月12日の口頭弁論までに個人署名を広げようと呼びかけられました。

 同社は、期間社員の原告を雇い止めにした2009年4月以降、生産は回復すると予測していました。細井社長もそう発言していましたが、東京地裁で証言した同社の部長はこの社長発言を否定。判決も、予測は困難として、雇い止めを容認しました。

 湘南労連の塚本和則事務局長はあいさつで、地裁判決を見直すか、門前払いで結審するかの重要局面を迎えていると指摘。「細井社長に証言させ、真実を明らかにすることが必要だ」とのべ、署名への協力を訴えました。

 署名目標は8000人。参加者から「署名の意義がわかった。集めてみたい」との抱負も語られました。

 いすゞの社員(60)は、ある生産ラインでは今月、75時間の残業を予定するなど人手不足だと告発。原告を職場復帰させることはできる、とのべました。

 原告の男性(53)は日中、東京都内で署名を呼びかけてきました。集会で「この裁判を勝ち抜くため、一生懸命に頑張ります」とあいさつし、支援を求めました。

 「非正規切り」争議をたたかう日産自動車、資生堂の両原告も紹介されました。

 決起集会は23日、栃木工場がある栃木県栃木市でも開かれます。


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