2013年2月5日(火)
女子15選手「暴力反対」
“柔道精神と現実の差 悩み続けた”
経緯を文書で
|
「訴え出ざるを得なくなったのは憧れであったナショナルチームの状況への失望と怒りが原因」。前監督らから暴力を受けていたと告発した柔道女子ナショナルチーム選手15人は4日、大阪市で代理人の岡村英祐弁護士を通じて、日本オリンピック委員会(JOC)に告発した経緯を文書で発表しました。
そのなかで、前監督の暴力行為で人としての誇りを傷つけられ、「あるものは涙し、あるものは疲れ果て、チームメートが苦しむ姿を見せ付けられることで監督の存在に怯(おび)えながら試合や練習をする自分の存在に気づきました」と述べています。
15人は、代表選手としての責任を果たさなければという思いと、所属先などで培ってきた柔道精神から大きくかけ離れた現実との間で、自問自答を繰り返し、悩み続けてきたといい、「柔道をはじめとする全てのスポーツにおいて、暴力やハラスメントが入り込むことに、断固として反対します」と表明しています。
今後予定されているJOCの調査に対しては選手だけでなくコーチ陣からの聞き取りも要望。競技者が苦しみや悩みの声を安心して届けられる体制や仕組みづくりを求めています。
会見で辻口信良弁護士は「辞任した監督だけの問題ではない。全日本柔道連盟が15人の訴えを真摯(しんし)に受け止めて改革の方向を目指してもらいたい」と語りました。
なお15人は氏名を公表していません。