2013年1月27日(日)
米無人機攻撃を調査へ
市民の犠牲や合法性問う
国連
【ロンドン=小玉純一】イスラム過激派殺害などのための無人機攻撃の実態調査に国連が乗り出すことになりました。責任者となる国連人権理事会のエマーソン特別報告者(テロ対策と人権担当)が24日、ロンドンで明らかにしました。
無人機による攻撃は米国がパキスタンなどで実施中。国際テロ組織アルカイダなどを標的にして繰り返されていますが、一般市民を巻き添えにする例が相次ぎ、批判が高まっています。
調査は、パキスタン、イエメン、ソマリア、アフガニスタン、パレスチナの領域に対する25の攻撃事例が対象。市民の犠牲の広がり、目標となった過激派の特定、国連が紛争と認識していない地域での攻撃の合法性を評価し、10月の国連総会に報告の予定です。
調査は、パキスタン、ロシア、中国などの要請で、国連人権理事会がエマーソン氏に求めました。同氏は会見で「無人機攻撃の増大は国際法の枠組みへの挑戦を示している」と語りました。
英国の民間の調査報道団体は、パキスタンで2004年以降、米中央情報局(CIA)の無人機攻撃で最大3461人が死亡し、そのうち最大891人が一般市民だったとしています。