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2013年1月24日(木)

中国の格差、依然高く

10年ぶりのジニ係数0・474

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 【北京=小林拓也】中国政府は18日、格差を表す尺度であり、1に近づくほど格差が大きいことを示すジニ係数を10年ぶりに公表しました。

 政府発表によると、2012年のジニ係数は0・474。社会の不安定が生じる警戒ラインである0・4を超えています。記者会見した中国国家統計局の馬建堂局長は「収入格差が大きいことの反映だ」と危機感を示しました。

 政府が公表したのは、03年から12年までの10年分のジニ係数。それによると、03年の0・479からジニ係数は基本的に上昇を続け、08年に0・491に達しました。ただ、その後は下降しています。馬局長は、08年の世界金融危機後、政府が民生部門で強化措置をとったためジニ係数が下降したと説明しました。

 12年のジニ係数0・474は依然として高い水準であり、馬局長も「収入分配改革を急ぎ、収入格差を縮小させることが差し迫っている」と述べました。

 中国政府は2000年にジニ係数を0・412と発表して以降、具体的な数字を公表せず、専門家からは「現実を直視しないものだ」と批判が高まっていました。今回、ジニ係数を発表したことについて、「各方面が収入分配改革を討論する共同の起点となり、収入分配改革の共通認識をつくる上で役に立つ」(中国紙・新京報19日付)と評価する声もあります。

 一方、昨年12月には、四川省にある西南財経大学の中国家庭金融調査研究センターが、中国の10年のジニ係数は0・61に達するとの調査結果を発表しています。

 政府と民間の数字に大きな差があることに対し、中国改革基金会国民経済研究所の王小魯副所長は中国メディアに「政府の数字は、高収入家庭の灰色収入(正規の賃金以外の違法でない収入)を反映していない」と指摘。「もしそれらを考慮に入れれば、実際の収入格差は政府の数字よりも大きいはずだ」と述べました。


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