2013年1月23日(水)
米艦 サンゴ礁に座礁
フィリピン 世界遺産の地
無許可航行の果てに
米海軍佐世保基地(長崎県)所属の掃海艦ガーディアンが世界遺産に登録されているフィリピンのサンゴ礁に座礁し、現在も身動きがとれないでいます。
米第7艦隊によれば、ガーディアンはマニラ北部のスービック湾で補給を終え、インドネシアでの共同演習に向かう途中の17日午前2時25分(現地時間)、トゥバタハ岩礁自然公園内のサンゴ礁に座礁しました。原因は「調査中」としていますが、事故当時に使用していた海図に誤りがあったとの見方が強まっています。
同公園の管理事務所によれば、ガーディアンは公園内の航行許可を取っていませんでした。さらに事故が発生しても通報せず、公園管理事務所が17日午前4時ごろレーダーで発見。公園の保護官が無線連絡しても無視し、乗船しようとすると武装した兵士が戦闘配置につき、妨害したといいます。
公園管理事務所は、これら一連の行為はフィリピンの国内法に違反しているとして、怒りを隠しません。
第7艦隊司令部は19日、調査のために横須賀基地(神奈川県)所属のイージス艦マスティンなど複数の艦船を派遣。20日にはスウィフト司令官が「きわめて遺憾である」として公式に謝罪し、「われわれは海洋環境を保護・保全するための責任を負っている」として原状回復のための賠償に応じる考えを示しました。
米国は中国海軍の進出をけん制する狙いから、アジア太平洋での「法の支配」の確立を声高に叫んでいます。しかし、今回の事件での対応を見る限り、米軍の無法行為は目に余るものがあります。
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