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2013年1月22日(火)

風邪薬を保険から外す 介護利用料引き上げ…

社会保障の歳出削減策

財政審分科会 さらなる改悪要求

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 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会は21日、2013年度予算案の編成に向けた歳出削減策に関する報告書を麻生太郎財務相に提出しました。報告書は、消費税増税と社会保障切り捨ての「一体改革」が実現しても「社会保障給付費の公費負担に対し、消費税収はなお巨額の不足」と強調し、さらなる消費税率引き上げと社会保障のあらゆる分野での改悪を求めました。

 具体策として、医療では▽70〜74歳の患者負担を倍増する▽高度医療の保険適用に費用対効果などの判断ルールを導入する▽風邪薬や湿布などのような市販品類似薬を保険給付の対象から外す―などを並べました。

 介護では▽利用料(現在1割)を早急に引き上げる▽保険給付を「要介護3」以上に重点化し「軽度者」は対象から除外する▽介護施設の入所者を「重度者」に限定する―など、年金では▽支給額を毎年0・9%ずつ減らすことになる「マクロ経済スライド」を物価の動向にかかわらず発動する▽支給開始年齢をさらに引き上げる―などをあげました。

 生活保護では▽低所得者の消費実態に合わせ生活扶助基準を引き下げる▽医療扶助に一時窓口負担を導入する―などを求めました。

 年金・医療・介護の財源は「社会保険料で賄うことを原則」とし、公費投入は「あくまで補完的・限定的な分野」に限るべきだとして、国の役割の縮小を要求しました。

 また、地方公務員給与は、12年度から2年間、7・8%削減している国家公務員と同様に引き下げて地方交付税を圧縮するよう要求。地方自治体が一定の裁量で自由に使える一括交付金に関しては廃止を含めた見直しを提言しました。

解説

“安上がり終末期医療”が本音

麻生財務相暴言

 社会保障制度「改革推進」法は、医療保険制度の見直しの方向として、「個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に、人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備する」としています。

 麻生太郎財務相の21日の「国民会議」での発言は、その意味するものが終末期医療を安上がりにするものであることをあけすけに示しました。

 20日にNHKは「衝撃“老人漂流社会”」を放送。住まいをなくした高齢者が“死に場所を求めて”漂流する姿を映しました。そうした社会をつくりだしたのは、特別養護老人ホームの抜本的増設をせず、長期療養患者の介護療養病床の廃止を打ち出して病院から追い出し「介護難民」「医療難民」をつくりだしてきた旧自公政権と、それを放置した民主党政権です。

 番組では、貯金が尽き、生活保護を受けて民間の介護施設に入った高齢者に、ケースワーカーが延命治療をどうするか聞く映像が映し出されました。「命ある限り生きたい」と、この高齢者は答えました。麻生氏は“税金を使って延命してもらうのは申し訳ない”といわせたいのでしょうか。(鎌塚由美)


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