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2013年1月7日(月)

救急車 渋滞で立ち往生

3キロに40分、治療遅れ患者死亡

中国

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写真

(写真)北京市内を走る救急車。渋滞のため、なかなか前に進めません=2012年12月30日(小林拓也撮影)

 【北京=小林拓也】中国で救急車が渋滞で立ち往生し病院に着くのが大幅に遅れ、患者が死亡する例が相次いでおり、社会問題になっています。中国メディアは、緊急車両に道を譲らない運転手の姿勢を問題視しています。

 12月7日夕、北京市内で自転車に乗っていた50代の市民がタンクローリーにはねられ重傷を負いました。救急車に乗せられましたが、金曜日の帰宅ラッシュの時間帯でもあり、道路は大渋滞。そのうえ、サイレンを鳴らしても他の車は道を譲ろうとしません。

 結局、病院までわずか3キロの道を40分もかかってしまいました。病院に着いたときは患者はすでに息をひきとっていました。

 12月18日正午ごろ、重慶市内で重病の3カ月の赤ちゃんを抱えた夫婦を見かけた警官が、一刻も早く病院に届けようと、パトカーに夫婦を乗せて病院を目指しました。しかし、道路は渋滞で誰も道を譲らず、緊急車両用の路肩部分も車で埋まっていました。普段なら30分あれば十分な道のりを40分かかってしまい、治療が間に合わず赤ちゃんは亡くなってしまいました。

 地元紙・重慶晨報は「10分早く着いていれば、小さな命を救うチャンスがあったかもしれない。少なくとも人生の最期の瞬間に人間の温かさを感じただろう」とこの悲劇を伝えました。

 中国のミニブログ「微博」上では、「中国人の道徳が低下している」「運転手に救急車に道を譲る習慣をつけさせなければ」など道を譲らない運転手を非難する声が多く寄せられています。

 この問題に対し、中国共産党機関紙・人民日報12月24日付は評論で「わが国はすでに自動車時代に入ったのに、『交通道徳』の発展は明らかに遅れている」「『道を譲らない』問題の解決には全社会が共同で努力することが必要だ」と訴えました。


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