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2013年1月3日(木)

ボリビア送電国有化

農村の料金半額視野

スペイン系4社を

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 南米ボリビアのモラレス政権は昨年末、ラパス県などで営業するスペイン資本の送電企業を国有化することを決定しました。国有化は、都市部と農村部で料金が著しく違う状況をただし、憲法が定める「公正な料金」を国の責任で実現することを目指すもの。政府高官は農村での料金は半額化も可能と述べています。(菅原啓)


 モラレス大統領は12月29日に署名した大統領令で、スペインのイベルドロラ社が約9割の株を所有するエレクトロパス(ラパス県)、エルフェオ(オルロ県)の両送電会社と関連2社の計4社について国有化する方針を発表しました。

 国営通信ABIによると、ラパス、オルロ両県では都市部の電気料金1キロワット時当たり0・63ボリビアノ(約7・7円)に対し、農村地域では1・59ボリビアノ(約19・5円)に設定されてきました。

 ボリビアの憲法(2009年2月施行)は、水道や電気など基本的サービスの供給は「国の責任で」進めることを明記(第20条)。サービスの供給は「公正な料金」を伴わなければならないと規定しています。

 政府側は昨年、この憲法上の責任を果たす立場から、農村地域の値下げによる「公正な料金」を送電会社に要請。4カ月にわたって交渉したものの合意には至りませんでした。

 大統領は、こうした経過を説明したうえで、「公正な料金」の実現のために、「(国有化という)今回の措置を取らざるをえなかった」と語りました。

 ソーサ炭化水素・エネルギー相は30日の国内メディアとの会見で、エレクトロパス社の場合は国有化後の利益の15%を活用して、農村地域の料金引き下げの財源とする考えを明らかにしました。同社の11年の利益総額は8000万ボリビアノ(約10億円)に達しています。ヒメネス電力・代替エネルギー担当副大臣は国有化によって、農村地域の料金は半額にできるとの見通しを示しています。

 大統領令によると、ボリビア側は、筆頭株主のイベルドロラ社と交渉し、補償金の額などについて180日以内にまとめるとしています。同社は、「正当な」補償額として約1億ドル(86億円)の支払いを要求する構え。スペイン政府は国有化そのものに反対せず、遺憾の意を表明しただけにとどまっています。


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