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2013年1月1日(火)

ブラジル労働党政権10年

格差縮小 世界から注目

教育・医療重視 不平等克服さらに

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 南米ブラジルで労働党が政権与党になってから1日で10年が経過しました。労働党政権は経済成長を図りながら貧困層支援の社会計画を進め、経済格差を大幅に縮小。その成果は国際的にも注目されています。労働党は今後も、教育や医療を重視した経済戦略に基づいて不平等の克服に努める意欲を示しています。(島田峰隆)


 ブラジルでは2003年発足のルラ政権が2期8年務めた後、11年に同政権の政策を引き継ぐルセフ政権が誕生。この間、貧困世帯向け家族手当、最低賃金の連続引き上げ、正規雇用の拡大、中小企業への融資の拡充など、貧困層を一貫して支援してきました。

 同国の研究機関は、格差を示すジニ係数(1に近づくほど格差が大きい)が14年には0・51程度にまで下がると予測。ルラ政権発足時には0・58を超えていました。

貧困撲滅が最優先

 世界銀行は昨年11月、過去10年間で中南米カリブ海地域の中間層が5割増え、「最も功績のある国」の一つとしてブラジルを挙げました。世銀の中南米担当主任エコノミスト、アウグスト・デラトレ氏は「中南米は格差が縮小している世界で唯一の地域だ」と強調。背景には「国民の急速な収入増と、最底辺の人々の購買力強化がある」と語りました。

 貧困撲滅を最優先公約とするルセフ政権は昨年、6歳までの子どもがいる世帯を対象にした支援を15歳まで拡充するなど新たな施策を相次いで発表しました。昨年12月には、今年1月から月額最低賃金を8・8%引き上げて678レアル(約2万8000円)にするとしました。労働党政権発足前の02年は200レアルでした。

 こうした施策が評価され、最新の世論調査によれば政権支持率は62%、ルセフ大統領自身の支持率は78%となっています。

成長の回復が課題

 課題になっているのは昨年鈍化した経済成長の回復です。政府は14年に同国で開かれるサッカー・ワールドカップ(W杯)と16年のオリンピックへ向けて港湾や道路などのインフラ整備を進めています。ただ世界経済危機の影響もあり、12年の実質経済成長率は1%程度の見込みです。

 昨年12月の労働党全国指導部会議が採択した決議は、教育の機会均等の保障や医療の充実などを通じて不平等をさらに克服するには「経済成長の加速が重要だ」と指摘。14年2月に開く党大会に向けて「世界経済危機のなかでも成長し変革を深化させる経済戦略を明確にする」ことを提起しています。


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