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2013年1月1日(火)

民意かなう政治へ

中身でも制度でも問われる年に

政治部長 藤田  健

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 今年の日本政治は、「民意がかなう政治」をどうつくりあげるかをめぐり、国民のたたかいと結んでその実現をめざす日本共産党と、「虚構の多数」を背景に悪政復活・強化を狙う安倍自公政権との対決を軸に進みます。7月の参院選に向けて、この対決が展開していきます。

 年末の衆院選では、有権者比で2割台の得票しか得られなかった自民党が、全体の議席の6割を占めました。自民党の政策が支持されたわけではないことは世論調査でも明らかです。これほど民意と国会の構成がかけ離れたことはかつてありません。

悪政メニューさっそく用意

 安倍晋三首相も「まだまだわが党に対して完全に信頼が戻ってきているわけではない、政治全般に対する国民の厳しい目が続いている」(26日)と一応の慎重姿勢をみせます。

 ところが、安倍自公政権が用意している政策メニューは、民意に背く内容ばかりです。

 年明けすぐに問われるのが、食料主権も経済主権も外国に投げ渡す環太平洋連携協定(TPP)への態度です。オバマ米大統領の就任式にあわせて訪米を計画している首相は、日米首脳会談で早速アメリカからTPPへの協力を迫られます。

 政権最大の使命と位置づける「経済再生」では、国民の暮らしも経済も破壊する消費税増税の実施が大前提。そのために、4〜6月期のGDP(国内総生産)をおしあげようと、無制限の金融緩和と無駄な公共事業のばらまきというカンフル剤を注入しようとしています。

 原発問題で安倍首相は、原発事故を警告した日本共産党議員の質問に「安全神話」で答えた「A級戦犯」です。それを反省するどころか、再稼働や、さらには新増設にも踏み込もうとしています。米軍基地問題でも、新基地建設の手続きを進めようとしており、米垂直離着陸機オスプレイの配備も見直す気配はありません。

 選挙後、メディアのなかには、「短命首相に終止符を」と“長期政権”を望む論調が一部に出ました。しかし、第1次安倍内閣以来、1年ごとに首相が交代するという不安定さの根本には、民意に背いた政治がありました。自公政権末期には、「郵政選挙」で得た衆院3分の2以上の議席をつかって国民犠牲の悪政を次々と強行、民主党政権も国民の期待を裏切る公約違反を続けた結果の「短命」でした。民意に背いて政治の安定はありません。

 民意に背く背景には「アメリカいいなり」「財界中心」のゆがみがあります。安倍政権は、日米同盟の再構築を掲げるとともに、原発メーカー東芝の社長ら財界委員を配した「経済財政諮問会議」を再起動します。国民との矛盾の深刻化は避けられません。

 日本共産党は「この間示してきた各分野の改革ビジョンを掲げて、安倍・自公政権と正面から対決してがんばり抜く」(志位和夫委員長)との立場で奮闘します。

衆院選挙制度見直しの基準

 「民意がかなう政治」でもう一つ問われるのが、選挙制度問題です。衆院選後、各党やメディアでも見直し論が噴出しています。民意と国会構成とのあまりの乖離(かいり)、資質も問われない大量の「新人議員」が毎回生まれる政治の劣化など、小選挙区制の害悪が明白だからです。

 考えなければならないのは、制度見直しの基準です。一部には、「小選挙区制は事実上、次の首相を有権者が選ぶ仕組み」(「朝日」昨年12月18日付)と擁護する議論もあります。これは、「政権選択選挙」とはやし立て、政権にすぐにはかかわらない政党を選択肢から排除する議論の延長です。

 憲法は「全国民を代表する選挙された議員」で国会を構成するとしており、民意を鏡のように反映するのが唯一の基準です。自ら支持する政策を基準に議員を選ぶことがあたり前です。それを「政権選択」などとゆがめたことが、「虚構の多数」をつくり、逆に政治の不安定さを生むことになったのです。

 この問題では、昨年の衆院解散前、自公民3党は、比例定数削減などを狙い、今年の通常国会終了までに「抜本改革」について結論を得ることで合意しました。自民党の石破茂幹事長は早速、自公で協議を開始するとともに各党に相談する意向を表明。そのなかで「比例さえ減らせばいいのだということが、国民の民意というものの反映と、ほんとうに一致するのかは議論があるところだ」(昨年12月28日)と述べています。

 今年夏までの見直し論議は、今後の政党政治の形を決めかねない重要な意味をもちます。ここでも「民意がかなう政治」を基準にした議論が求められます。


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